皮膚疾患と検査と治療

身近な皮膚のトラブルから、お肌の美容に関するお悩みまで。

「なかなか治らないニキビ」や「アトピー」、また「酒さや肝斑」といったデリケートなお悩みまで、当院にお任せください。院内処方や最新の光線療法など、患者さまのライフスタイルに合わせた治療を大切にしています。

※最適な治療をご提案するため、必ずしも記載の検査・治療を行うとは限りません。 ※内容により当日実施または予約制となる場合がございます。スムーズな診療のため、ご理解とご協力をお願い申し上げます。

診療している疾患

目次

下肢静脈瘤

下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)、または下肢静脈瘤は、脚の静脈が拡張し、ねじれ、膨れ上がる状態を指します。この状態は、通常、静脈の弁が正常に機能しなくなり、血液が逆流して静脈に滞留することによって引き起こされます。以下に下肢静脈瘤の主なポイントを挙げます。

原因

  1. 遺伝的要因: 家族に静脈瘤のある人は、リスクが高いです。
  2. 加齢: 年齢が上がると、静脈の弁が弱くなり、機能が低下します。
  3. 性別: 女性は男性よりも静脈瘤を発症しやすいです。これはホルモンの変化(妊娠、閉経、ホルモン療法)が影響を及ぼすためです。
  4. 妊娠: 妊娠中は血液量が増え、静脈に負担がかかるため、静脈瘤ができやすくなります。
  5. 長時間の立ち仕事: 長時間立っていると、脚の静脈に圧力がかかり、血液の循環が妨げられることがあります。

症状

  1. 目に見える静脈の膨張: 特にふくらはぎや太ももに青や紫色の膨れた静脈が見えることがあります。
  2. 脚の痛みや重さ: 長時間立っていると悪化することが多いです。
  3. かゆみや灼熱感: 静脈の周囲にかゆみや灼熱感を感じることがあります。
  4. 腫れ: 足首やふくらはぎが腫れることがあります。
  5. 夜間のこむら返り: 夜間に脚がけいれんすることがあります。

診断と治療

  • 診断: 医師は視診や触診、超音波検査を行って静脈の状態を確認します。
  • 治療:
    • 生活習慣の改善: 体重管理、運動、長時間の立ち仕事や座り仕事の回避。
    • 弾性ストッキング: 静脈の圧力を軽減し、血液の流れを助けます。
    • 硬化療法: 特殊な薬剤を静脈に注射し、静脈を閉じます。
    • 手術: 重度の場合、静脈を外科的に取り除くことがあります。

下肢静脈瘤は多くの人々に影響を与える一般的な問題ですが、適切な治療と生活習慣の見直しによって症状を軽減し、改善することが可能です。

あざ

レーザー治療が保険適応となるのは以下の疾患です。

  • 太田母斑
  • 異所性蒙古斑
  • 外傷性刺青
  • 扁平母斑
  • 単純性血管腫
  • いちご状血管腫
  • あざの毛細血管拡張症

使用レーザー

  • Qスイッチルビーレーザー
  • Vビームレーザー

あざの診察は院長が担当しております。院長の診察枠にお越し下さい(順番制)。
レーザーは予約制で≪アプリ予約限定≫となります。
診察後、レーザーの適応であればパスワードをお伝えします。(詳細は該当ページの説明をお読みください。)

※美容のシミ・血管拡張症に対するレーザーは保険適応になりません。美容も院長が担当しておりますので、美容かあざかの判断は院長枠での診察となります。

色素性母斑

色素性母斑(しきそせいぼはん)、通称「ほくろ」は、皮膚の色素細胞(メラノサイト)が集中して集まった部分で、一般的に黒や茶色の斑点や盛り上がりとして現れます。以下に色素性母斑の主なポイントを説明します。

特徴

  1. 色と形: ほくろの色は黒や茶色が一般的ですが、赤や青、肌色などもあります。形は丸や楕円形で、境界がはっきりしていることが多いです。
  2. サイズ: 大きさは数ミリメートルから数センチメートルまでさまざまです。
  3. 位置: 体のどこにでもできることがありますが、特に顔、腕、背中などに多く見られます。
  4. 表面: 平らなものや盛り上がったものがあり、毛が生えている場合もあります。

種類

  1. 先天性色素性母斑: 生まれつき存在するほくろで、大きさや形はさまざまです。
  2. 後天性色素性母斑: 成長過程で現れるほくろで、思春期や妊娠中に増えることがあります。
  3. 異型母斑: 通常のほくろとは異なり、不均一な色や形、大きさが特徴です。悪性黒色腫(メラノーマ)への進行リスクがあるため、注意が必要です。

原因

  1. 遺伝: 家族に多い場合、遺伝的要因が関与しています。
  2. 日光暴露: 紫外線の影響でメラノサイトが活性化し、ほくろが増えることがあります。
  3. ホルモン変化: 思春期や妊娠などのホルモンの変化がほくろの発生に影響を与えることがあります。

診断と治療

  • 診断: 皮膚科医が視診やダーモスコピーを使用してほくろを評価します。必要に応じて生検を行い、悪性かどうかを確認します。
  • 治療: 通常、治療は必要ありませんが、美容的な理由や悪性の疑いがある場合、以下の方法で除去されることがあります。
    • 切除術: メスで切り取る方法。
    • レーザー治療: レーザーで色素細胞を破壊する方法。
    • 冷凍療法: 液体窒素で凍結させて除去する方法。

注意点

  • 変化の観察: ほくろが急に大きくなったり、色や形が変わったり、かゆみや痛みを感じる場合は、受診が必要です。これは悪性黒色腫の兆候である可能性があります。
  • 予防: 日光を避け、日焼け止めを使用することで、新たなほくろの発生を防ぐことができます。

色素性母斑は一般的には無害ですが、異常な変化が見られる場合には受診が必要です。

多汗症

多汗症(たかんしょう)は、必要以上に多くの汗をかく状態を指します。これは日常生活に影響を及ぼすことがあり、身体的にも精神的にも困難をもたらすことがあります。以下に多汗症の主なポイントを説明します。

種類

  1. 原発性多汗症: 原因が特定されない多汗症で、通常、局所的に(手のひら、足の裏、脇の下、顔など)汗が多くなります。家族歴がある場合が多いです。
  2. 続発性多汗症: ある特定の原因や病気によって引き起こされる多汗症で、全身に汗をかくことが多いです。原因には甲状腺機能亢進症、糖尿病、更年期、感染症などがあります。

症状

  1. 過剰な発汗: 通常の体温調節や運動による発汗以上に、多量の汗が出ます。
  2. 局所的または全身的: 原発性の場合は特定の部位で発汗が多く、続発性の場合は全身にわたることがあります。
  3. 日常生活への影響: 手のひらの汗で物が持ちにくい、脇の汗で衣服が濡れる、足の汗で靴が蒸れるなど、生活に支障をきたすことがあります。
  4. 精神的影響: 社交不安やストレス、自己評価の低下などが生じることがあります。

診断

  1. 病歴と身体検査: 医師は患者の症状と病歴を詳しく聞き、身体検査を行います。
  2. 血液検査: 甲状腺機能亢進症や糖尿病など、続発性多汗症の原因を特定するために行います。

治療

  1. 外用薬: ワキ、手掌には抗コリン作用を持つ、外用剤が保険適応で認められています。ほどんどの場合、この治療法で改善します。
  2. ボツリヌス毒素注射: 発汗を抑えるために、特定の部位にボツリヌス毒素を注射します。ワキは保険適応が認められています。
  3. 生活習慣の改善: 衣服の選び方やストレス管理、適切なスキンケアなども役立ちます。

予防と管理

  1. 日常のケア: 通気性の良い衣服を選ぶ、汗を吸収しやすい素材の靴下を履くなど、生活環境を工夫します。
  2. ストレス管理: リラクゼーション法やカウンセリングなど、ストレスを軽減する方法を見つけることが重要です。
  3. 定期的な診察: 続発性多汗症の場合、基礎疾患の管理が重要です。

多汗症は治療が可能な疾患になりました。適切な対策を講じることで症状をコントロールし、生活の質を向上させることができます。

アテローム(粉瘤)

アテローム(アテローマ、表皮嚢腫)は、皮膚の下にできる良性の嚢胞で、皮脂腺の分泌物が詰まることによって形成されます。以下にアテロームの主なポイントを説明します。

特徴

  1. 外観: 皮膚の下に滑らかで丸い隆起が見られます。大きさは数ミリメートルから数センチメートルまで様々です。
  2. 位置: 頭皮、顔、耳の後ろ、首、背中、胸など、皮脂腺が多い部位によく発生します。
  3. 内容物: 白色や黄色の粘り気のある物質(角質や皮脂)が詰まっています。内容物は悪臭を放つことがあります。

原因

  1. 毛包の閉塞: 毛穴や毛包が皮脂や角質で詰まることが原因です。
  2. 皮膚の損傷: 外傷や手術などで皮膚が損傷した後に発生することがあります。
  3. 遺伝的要因: 家族にアテロームが多い場合、リスクが高まります。

症状

  1. 無痛性のしこり: 一般的に痛みはありませんが、感染すると痛みや腫れが生じることがあります。
  2. 炎症: 感染すると赤く腫れ、触ると痛みを感じることがあります。膿が出ることもあります。

診断

  1. 視診: 医師が外観と触診で診断することが多いです。
  2. 超音波検査: 内容物や嚢胞の構造を確認するために使用されることがあります。
  3. 生検: 必要に応じて、嚢胞の一部を取って病理検査を行うことがあります。

治療

  1. 観察: 痛みや不快感がない場合、治療を必要としないことがあります。
  2. 切開排膿: 感染した場合、切開して膿を排出します。
  3. 嚢胞の除去: 再発を防ぐために、嚢胞を手術で完全に除去することがあります。局所麻酔下で行われ、比較的簡単な手術です。
  4. 抗生物質: 感染がある場合、抗生物質の投与が行われることがあります。

予防

  1. スキンケア: 毛穴の詰まりを防ぐために、適切なスキンケアを行うことが重要です。
  2. 早期の治療: 早期に診察を受けることで、感染を防ぎ、症状を軽減することができます。

アテロームは一般的に良性であり、適切な治療を行うことで症状を改善し、再発を防ぐことができます。感染の兆候がある場合や、嚢胞が大きくなって不快感を引き起こす場合は、早めに受診してください。

皮膚・皮下腫瘍

皮膚・皮下腫瘍は、皮膚やその下の組織に発生する良性または悪性の腫瘍を指します。以下に皮膚・皮下腫瘍の主なポイントを説明します。

種類

  1. 良性腫瘍
  • 脂肪腫: 脂肪細胞からなる柔らかく、通常無痛の塊。一般的にゆっくりと成長し、背中、首、肩などに多く見られます。
  • アテローム: 表皮嚢腫とも呼ばれ、皮脂腺の閉塞により形成される良性の嚢胞。
  • 神経鞘腫: 神経の被膜から発生する良性腫瘍。神経鞘に由来し、触るとゴムのような硬さがあります。
  • 血管腫: 血管の過剰増殖によって形成される赤いまたは紫色の斑点や塊。乳幼児に多く見られることがあります。
  • 線維腫: 結合組織からなる良性腫瘍。皮膚の表面に硬い塊として現れることが多いです。
  1. 悪性腫瘍
  • 基底細胞癌: 皮膚の最も表面にある基底細胞から発生する癌。ゆっくり成長し、転移することはまれ。
  • 扁平上皮癌: 皮膚の表面にある扁平上皮細胞から発生する癌。露光部位に多く見られ、転移することがあります。
  • 悪性黒色腫: メラノサイト(色素細胞)から発生する非常に悪性の高い皮膚癌。早期発見と治療が重要。
  • 脂肪肉腫: 脂肪細胞から発生する悪性腫瘍。深部組織に発生し、早期発見が難しいことがあります。

原因

  1. 遺伝的要因: 家族に腫瘍のある人はリスクが高いです。
  2. 紫外線暴露: 特に皮膚癌は長期間の紫外線暴露と関連しています。
  3. 化学物質: 一部の化学物質への暴露がリスクを高めることがあります。
  4. ウイルス感染: ヒトパピローマウイルス(HPV)などの感染が原因となることがあります。

症状

  1. 皮膚の変化: 新しいしこり、斑点、ほくろの変化など。
  2. 痛みやかゆみ: 腫瘍が神経や他の組織を圧迫すると痛みやかゆみが生じることがあります。
  3. 出血や潰瘍: 特に悪性腫瘍では出血や潰瘍が見られることがあります。

診断

  1. 視診と触診: 医師が皮膚の異常を視診し、触診でしこりの状態を確認します。
  2. 画像検査: 超音波、CT、MRIなどで腫瘍の大きさや位置を評価します。
  3. 生検: 腫瘍の一部を取り、病理検査で良性か悪性かを判断します。

治療

  1. 外科的切除: 良性腫瘍や早期の悪性腫瘍は外科的に切除することが一般的です。
  2. 放射線治療: 特に悪性腫瘍の治療に用いられます。
  3. 化学療法: 悪性腫瘍の進行を抑えるために使用されます。
  4. 局所治療: クリームや薬を直接腫瘍に塗布する方法。

予防

  1. 紫外線対策: 日焼け止めを使用し、長時間の日光暴露を避ける。
  2. 定期検診: 皮膚科医による定期的なチェックを受ける。
  3. 健康的な生活習慣: バランスの取れた食事と適度な運動を維持する。

皮膚・皮下腫瘍は多くの場合、早期発見と治療が効果的であり、特に悪性腫瘍に対しては迅速な対応が重要です。皮膚の異常を感じた場合は、早めの受診をおすすめします。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎(アトピー性湿疹)は、慢性的な皮膚疾患であり、強いかゆみと湿疹が特徴です。特に幼児から成人まで幅広い年齢層に多く見られます。以下にアトピー性皮膚炎の主なポイントを説明します。

原因

  1. 遺伝的要因: アトピー性皮膚炎は家族歴があることが多く、遺伝的要因が関与しています。
  2. 環境要因: ハウスダスト、ダニ、花粉、動物の毛など、環境中のアレルゲンが症状を悪化させることがあります。
  3. 皮膚バリアの異常: 皮膚のバリア機能が低下し、水分保持能力が弱くなります。これにより、皮膚が乾燥しやすく、外部刺激に対して敏感になります。
  4. 免疫システムの異常: 免疫システムが過敏に反応し、炎症を引き起こします。

症状

  1. かゆみ: アトピー性皮膚炎の主な症状であり、特に夜間に強くなります。
  2. 湿疹: 赤みを帯びた発疹や丘疹が現れ、皮膚がかさついたり、ひび割れたりします。重症化すると湿疹がじゅくじゅくすることもあります。
  3. 皮膚の肥厚: 慢性的なかゆみと掻き傷の結果、皮膚が厚くなり、硬くなります(苔癬化)。
  4. 乾燥: 皮膚が乾燥し、ひび割れやすくなります。
  5. 色素沈着: 長期間の炎症により、皮膚の色が変わることがあります。

診断

  1. 病歴と身体検査: 医師が患者の症状や家族歴、生活環境について詳しく聞き取り、皮膚の状態を視診します。
  2. アレルギー検査: 血液検査で炎症の重症度を調べることがあります。

治療

  1. スキンケア: 保湿剤を使用して皮膚の乾燥を防ぐことが重要です。定期的な入浴と適切なスキンケアが推奨されます。
  2. 薬物療法:
  • 外用ステロイド薬: 炎症を抑えるために使用されます。
  • 免疫抑制剤: プロトピック軟膏やコレクチム軟膏、モイゼルト軟膏など、ステロイドを含まない外用剤も近年増えてきています。
  • 抗ヒスタミン薬: かゆみを軽減するために使用されます。
  • 免疫抑制剤:シクロスポリンの内服
  • 生物学的製剤の注射:非常に効果があります。
  • JAK阻害剤の内服:非常に効果があります。


    3.環境管理: アレルゲンの除去や生活環境の改善が推奨されます。ハウスダストやダニ対策、適切な湿度管理などが含まれます。
    4.生活習慣の改善: 健康的な食事、適度な運動、ストレス管理が重要です。ストレスは症状を悪化させることがあるため、リラクゼーション法やカウンセリングも役立ちます。
  • 光線療法: 紫外線療法を行うことにより、炎症が抑えられます。

予防と管理

  1. 保湿: 日常的に保湿を行い、皮膚のバリア機能を維持します。
  2. 適切な入浴法: 熱すぎるお湯や長時間の入浴を避け、入浴後30~60分後に保湿剤を塗布します。
  3. アレルゲンの回避: 特定のアレルゲンを避けることで症状を軽減することができます。

アトピー性皮膚炎は慢性的な疾患ですが、適切なケアと治療によって症状をコントロールし、生活の質を向上させることが可能です。近年新しい治療薬が開発され、現在も多くの治験が行われています。基本治療は軟膏の塗布に変わりありませんが、それだけでは納得のいく改善が得られなかったに多くの方に、光と希望が見え始めました。

伝染性軟属腫

伝染性軟属腫(でんせんせいなんぞくしゅ)は、ポックスウイルス科に属する伝染性軟属腫ウイルス(Molluscum contagiosum virus)によって引き起こされる皮膚感染症です。以下に伝染性軟属腫の主なポイントを説明します。

特徴

  1. 外観: 小さくて丸い、真珠のように光沢のある皮膚の隆起(丘疹)が特徴です。中央にへこみ(臍部陥凹)が見られることが多いです。
  2. 大きさ: 丘疹の直径は2~5ミリメートル程度ですが、時には大きくなることもあります。
  3. : 白色、ピンク色、または肌色です。
  4. 数と分布: 一つの部位に多数の丘疹が集まって現れることが多く、顔、体幹、四肢、特に脇の下や内腿などの柔らかい皮膚に発生しやすいです。

原因

  1. ウイルス感染: 伝染性軟属腫ウイルスは、直接接触や汚染された物品(タオル、衣服など)を介して伝染します。
  2. 免疫力: 免疫力が低下している人(子供、免疫不全患者)は感染しやすいです。

症状

  1. 無痛性: 丘疹は通常、痛みを伴いませんが、かゆみを感じることがあります。
  2. 炎症: 丘疹が炎症を起こすと、赤く腫れることがあります。
  3. 二次感染: 丘疹を掻き壊すと、細菌感染を引き起こし、膿が出ることがあります。

診断

  1. 視診: 特徴的な丘疹の外観から診断します。
  2. 顕微鏡検査: 必要に応じて、丘疹の内容物を顕微鏡で観察し、ウイルスの存在を確認します。

治療

  1. 自然治癒: 多くの場合、伝染性軟属腫はやがて自然に消失します。
  2. 局所療法:
  • クライオセラピー(冷凍療法): 液体窒素を用いて丘疹を凍結させて除去します。
  • レーザー治療: レーザーを使用して丘疹を焼灼します。
  • 掻爬(そうは): 丘疹をスプーン状の器具又は鑷子で削り取ります。
  1. 予防とケア:
  • 衛生管理: 手洗いや患部を清潔に保つことで、感染の拡大を防ぎます。
  • 直接接触の回避: 感染者との直接接触や、感染者が使用した物品を避けることが重要です。
  • 掻くこと(掻把)で広がりますので、掻かないことがとても大切です。

予防

  1. 個人衛生: 手洗いやシャワーを頻繁に行い、皮膚を清潔に保ちます。
  2. 感染予防: 感染者との直接接触を避け、タオルや衣類などの共有を控えます。
  3. 免疫力の維持: バランスの取れた食事や適度な運動で免疫力を高めます。

伝染性軟属腫は一般的には軽症であり、自然に治癒することが多いですが、広がりやすい性質があるため、早期の対応と予防が重要です。症状が悪化した場合や、疑わしい症状が見られた場合は、受診をおすすめします。

尋常性疣贅

尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)は、ヒトパピローマウイルス(HPV)によって引き起こされる良性の皮膚増殖物です。通常、「いぼ」として知られ、手や足などに頻繁に見られます。以下に尋常性疣贅の主なポイントを説明します。

特徴

  1. 外観: 小さなドーム状の隆起で、表面が粗く、カリフラワーのような外見をしています。色は肌色から灰色までさまざまです。
  2. 大きさ: 数ミリメートルから1センチメートル程度まで成長することがあります。
  3. 位置: 手の甲、指、足の裏、顔など、さまざまな部位に現れることがあります。

原因

  1. ウイルス感染: ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によって引き起こされます。感染は直接接触や汚染された物品(タオル、床など)を介して広がります。
  2. 免疫力: 免疫力が低下している人は感染しやすく、疣贅が多発することがあります。

症状

  1. 無痛性: 多くの尋常性疣贅は痛みを伴いませんが、足の裏にできる場合は歩行時に痛みを感じることがあります。
  2. かゆみ: 時折かゆみを伴うことがあります。
  3. 増殖: 一つの疣贅から周囲に広がり、複数の疣贅が形成されることがあります。

診断

  1. 視診: 疣贅の特徴的な外観を観察して診断します。
  2. 生検: 必要に応じて、疣贅の一部を取って病理検査を行うことがあります。

治療

  1. 自然治癒: 多くの尋常性疣贅はいずれ自然に消失します。
  2. 局所療法:
    クライオセラピー(冷凍療法): 液体窒素を用いて疣贅を凍結し、除去します。
    レーザー治療: レーザーを使用して疣贅を焼灼します。
  3. 内服療法:漢方薬(ヨクイニン)を内服します。

予防

  1. 個人衛生: 手洗いやシャワーを頻繁に行い、皮膚を清潔に保ちます。
  2. 感染予防: 感染者との直接接触を避け、タオルや衣類などの共有を控えます。
  3. 傷のケア: 小さな傷でもウイルスが侵入しやすくなるため、傷を清潔に保ち、早期に処置します。

尋常性疣贅は多くの場合無害でいずれ自然に消失しますので、あまり小さいものは気にしなくても結構です。ただ、見た目や不快感、痛みがあり治療が望ましい場合もありますので、気になる方は一度受診をおすすめします。

鶏眼

鶏眼(けいがん)、一般には「うおのめ」とも呼ばれる状態は、皮膚が局所的に厚く硬くなる現象を指します。これは、圧力や摩擦が原因で皮膚が防御反応を起こし、厚くなることで発生します。以下に鶏眼の主なポイントを説明します。

特徴

  1. 外観: 鶏眼は小さな円形または楕円形の硬い隆起で、中央に芯があります。歩くときに体重がかかると、硬い芯が食い込んで神経が圧迫され、激しい痛みを伴うことがあります。色は黄色みがかかった白色や灰色です。
  2. 位置: 足の裏、特に指の関節部分やかかと、足の小指の側面など、圧力がかかりやすい部位に発生します。
  3. 大きさ: 鶏眼の大きさは数ミリメートルから1センチメートル程度です。

原因

  1. 圧力と摩擦: 不適切な靴や靴下を履くこと、長時間の歩行や立ち仕事などが主な原因です。
  2. 足の形状異常: 外反母趾や偏平足などの足の形状異常がある場合、特定の部位に過度の圧力がかかりやすくなります。
  3. 歩行の癖: 歩行の際に特定の部分に過度の負担がかかる場合も原因となります。

症状

  1. 痛み: 鶏眼は通常、痛みを伴います。特に圧力がかかるときや歩行時に痛みを感じることがあります。
  2. 硬くなった皮膚: 皮膚が硬く、厚くなり、触るとごつごつしています。
  3. 炎症: 鶏眼の周囲が赤くなったり、炎症を起こすことがあります。

診断

  1. 視診: 鶏眼の特徴的な外観を観察して診断します。
  2. 病歴聴取: 症状の経緯や履いている靴、生活習慣について詳しく聞き取ります。

治療

  1. 圧力の除去: 適切な靴を選び、圧力がかからないように調整します。足の形に合った靴やクッションを使用することが推奨されます。
  2. 皮膚の保護: クッションパッドや保護パッドを使用して、鶏眼にかかる圧力を軽減します。
  3. 削り取り: 医師や専門家によって、硬くなった皮膚を慎重に削り取ることができます。

予防

  1. 適切な靴の選択: 足に合った靴を履き、圧力や摩擦を避けることが重要です。
  2. 靴の入れ替え: 定期的に靴を入れ替え、同じ靴を長期間使用しないようにします。
  3. 足のケア: 足を清潔に保ち、保湿を行うことで皮膚の健康を維持します。
  4. 足のチェック: 定期的に足の状態をチェックし、異常があれば早期に対処します。

鶏眼は日常生活に支障をきたすことがありますが、適切な予防と治療によって症状を管理し、再発を防ぐことができます。痛みや不快感が続く場合は、一度受診されることをおすすめします。

胼胝

胼胝(べんち)、一般には「たこ」として知られる状態は、皮膚が繰り返しの圧力や摩擦に対して防御反応を示し、厚く硬くなる現象を指します。以下に胼胝の主なポイントを説明します。

特徴

  1. 外観: 皮膚が厚く硬くなり、黄色みがかった白色や灰色を呈します。表面は平坦で、境界がはっきりしていないことが多いです。
  2. 位置: 手のひら、指の関節、足の裏、特にかかとや足の指の付け根など、繰り返し圧力や摩擦がかかる部位に発生します。
  3. 大きさ: 胼胝の大きさは数ミリメートルから数センチメートルまで様々です。

原因

  1. 圧力と摩擦: 長時間の歩行や立ち仕事、不適切な靴の使用、手作業による摩擦などが主な原因です。
  2. 職業や趣味: 例えば、大工やガーデニングなど手を使う仕事や趣味、スポーツ選手などは胼胝ができやすいです。
  3. 足の形状異常: 外反母趾や偏平足などの足の形状異常がある場合、特定の部位に過度の圧力がかかりやすくなります。

症状

  1. 無痛性: 胼胝は通常、痛みを伴いませんが、厚くなりすぎると不快感を感じることがあります。
  2. 硬くなった皮膚: 皮膚が硬く厚くなり、触るとごつごつしています。
  3. 割れ目: 皮膚が非常に硬くなると、ひび割れを起こすことがあります。

診断

  1. 視診: 胼胝の特徴的な外観を観察して診断します。
  2. 病歴聴取: 症状の経緯や履いている靴、生活習慣について詳しく聞き取ります。

治療

  1. 圧力の除去: 適切な靴を選び、圧力がかからないように調整します。足の形に合った靴やクッションを使用することが推奨されます。
  2. 皮膚の保護: クッションパッドや保護パッドを使用して、胼胝にかかる圧力を軽減します。
  3. 削り取り: クリニックで硬くなった皮膚を慎重に削り取ります。
  4. 保湿: 保湿クリームを使用して皮膚を柔らかく保ちます。尿素やサリチル酸を含むクリームが効果的です。
  5. 薬物療法: 市販の角質軟化剤を使用して、硬くなった皮膚を柔らかくし、除去しやすくします。

予防

  1. 適切な靴の選択: 足に合った靴を履き、圧力や摩擦を避けることが重要です。
  2. 靴の入れ替え: 定期的に靴を入れ替え、同じ靴を長期間使用しないようにします。
  3. 足のケア: 足を清潔に保ち、保湿を行うことで皮膚の健康を維持します。特に足の裏の硬くなりやすい部分を重点的にケアします。
  4. 適切なインソールの使用: 衝撃を吸収するインソールや、足の形にフィットするオーダーメイドのインソールを使用することで、圧力を分散させることができます。
  5. 早期の対処: 胼胝ができ始めたら、早めにケアを行うことで、悪化を防ぐことができます。

胼胝は適切なケアと予防策を講じることで管理が可能です。特に足のケアが重要であり、不快感や痛みを感じた場合は早めに受診されることをおすすめします。

疥癬

疥癬(かいせん)は、ヒゼンダニ(Sarcoptes scabiei)が皮膚に寄生することによって引き起こされる感染症です。このダニが皮膚の表面にトンネルを掘り、そこで卵を産むことで強いかゆみや発疹を引き起こします。以下に疥癬の主なポイントを説明します。

特徴

  1. かゆみ: 疥癬の最も一般的な症状で、特に夜間に強くなることが多いです。
  2. 発疹: 小さな赤い丘疹や水疱が見られます。掻き壊すことで二次感染を引き起こすこともあります。
  3. トンネル: ダニが皮膚に掘ったトンネルが見えることがあります。これらは細い線状のもので、特に指の間、手首、肘、脇の下、腹部、乳房、股間などに現れます。

原因

  1. ヒゼンダニ: ヒゼンダニが皮膚に寄生し、トンネルを掘って卵を産むことで感染が広がります。
  2. 接触感染: 感染者との直接的な皮膚接触や、感染者が使用した衣類、寝具、タオルなどを介して感染します。

診断

  1. 視診: 医師は患者の皮膚の症状を観察し、トンネルや発疹の特徴を確認します。
  2. 皮膚検査: トンネルや発疹の一部を削り取り、顕微鏡でヒゼンダニや卵を確認することがあります。

治療

  1. ストロメクトール内服薬: 経口薬として使用されることがあります。特に広範囲にわたる感染やクリームが効果を示さない場合に用いられます。
  2. スミスリンローション:内服薬を処方しにくい子供などに使用します。
  3. 抗ヒスタミン薬: かゆみを軽減するために使用されます。
  4. 二次感染の治療: 掻き壊した部位が細菌感染を起こした場合、抗生物質が処方されることがあります。

予防と管理

  1. 接触を避ける: 感染者との直接的な接触を避け、感染が疑われる場合は速やかに治療を受けることが重要です。
  2. 衣類や寝具の洗濯: 感染者が使用した衣類、寝具、タオルは高温で洗濯し、熱風乾燥機で乾かします。洗濯できないものは密封して数日間保管するか、乾燥させます。
  3. 同居者の治療: 同居している家族や接触があった人々も同時に治療を受けることが推奨されます。

疥癬は適切な治療によって完全に治癒することができますが、再感染を防ぐために徹底的な予防策を講じることが重要です。

接触皮膚炎(かぶれ)

接触皮膚炎(せっしょくひふえん)は、皮膚が特定の物質に触れることで引き起こされる炎症反応です。この反応は、アレルギー性接触皮膚炎と刺激性接触皮膚炎の2種類に分かれます。以下に接触皮膚炎の主なポイントを説明します。

種類

  1. アレルギー性接触皮膚炎: アレルゲン(特定の物質)に対する免疫反応によって引き起こされます。この反応は、物質に触れてから数時間から数日後に現れることがあります。
  2. 刺激性接触皮膚炎: 刺激物(化学物質、洗剤、酸、アルカリなど)に直接触れることで皮膚が炎症を起こすもので、触れた直後に反応が現れることが多いです。

原因

  1. アレルギー性接触皮膚炎の原因:
  • ニッケル(アクセサリーやジーンズのボタン)
  • ラテックス(手袋)
  • 化粧品(香料、保存料)
  • 植物(毒アイビー、毒オーク)
  1. 刺激性接触皮膚炎の原因:
  • 洗剤や石鹸
  • 溶剤や化学薬品
  • 柔軟剤や漂白剤
  • 工業用化学物質

症状

  1. 発疹: 赤みを帯びた発疹が現れ、かゆみや痛みを伴います。
  2. 水疱: 小さな水疱ができることがあり、破れると液体が漏れ出すことがあります。
  3. 乾燥とひび割れ: 皮膚が乾燥し、ひび割れや鱗屑(りんせつ)が生じることがあります。
  4. 腫れ: 接触部位が腫れることがあります。

診断

  1. 病歴と問診: 症状や接触した物質、生活習慣について詳しくお伺いします。
  2. パッチテスト: アレルギー性接触皮膚炎の疑いがある場合、アレルゲンを特定するためにパッチテストを行うこともあります。
  3. 視診: 皮膚の状態を観察し、症状の特徴を確認します。

治療

  1. 原因物質の回避: 特定されたアレルゲンや刺激物を避けることが最も重要です。
  2. 局所治療:
    ステロイド外用薬: 炎症を抑えるために使用されます。
    保湿剤: 皮膚の乾燥を防ぎ、バリア機能を回復させます。
    抗ヒスタミン薬: かゆみを軽減するために使用されます。
  3. 洗浄: 接触後すぐに水と石鹸で患部を洗浄し、アレルゲンや刺激物を除去します。
  4. 冷却: 冷やすことで、炎症とかゆみを軽減します。

予防

  1. 保護具の使用: 化学物質や刺激物に触れる際には、手袋や保護服を着用します。
  2. 皮膚バリアの保護: 日常的に保湿剤を使用して、皮膚のバリア機能を強化します。
  3. 製品の選択: アレルゲンや刺激物を含まない製品を選ぶようにします。
  4. テスト使用: 新しい製品を使用する前に、目立たない部分に少量を塗布し、反応がないか確認します。

接触皮膚炎は、原因を特定し、適切な対策を講じることで予防および治療が可能です。症状が持続する場合や、重症化する場合は、受診されることをおすすめします。

乾癬

乾癬(かんせん)は、免疫系の異常によって引き起こされる慢性的な皮膚疾患で、皮膚が赤く盛り上がり、銀白色の鱗屑(りんせつ)が形成されるのが特徴です。乾癬は再発しやすく、患者の生活の質に大きな影響を与えることがあります。以下に乾癬の主なポイントを説明します。

特徴

  1. 紅斑: 赤く盛り上がった斑点が現れ、その上に銀白色の鱗屑が覆います。
  2. 鱗屑: 皮膚が乾燥し、銀白色の薄片が剥がれ落ちることがあります。
  3. かゆみと痛み: 患部がかゆく、場合によっては痛みを伴うことがあります。
  4. 分布: 頭皮、肘、膝、背中、腹部、手足など、さまざまな部位に現れます。

種類

  1. 尋常性乾癬: 最も一般的なタイプで、銀白色の鱗屑を伴う赤い斑点が特徴です。
  2. 関節症性乾癬: 関節に炎症が起こり、痛みや腫れを伴います。乾癬性関節炎とも呼ばれます。
  3. 滴状乾癬: 小さな赤い斑点が身体中に広がるタイプで、特に子供や若年者に多く見られます。
  4. 膿疱性乾癬: 膿疱が形成されるタイプで、全身に広がることがあります。
  5. 紅皮症性乾癬: 皮膚全体が赤くなり、剥がれ落ちる重篤なタイプです。

原因

  1. 免疫系の異常: 免疫細胞が誤って健康な皮膚細胞を攻撃することによって引き起こされます。
  2. 遺伝的要因: 家族に乾癬のある人はリスクが高いです。
  3. 環境要因: ストレス、感染症、気候の変化などが引き金になることがあります。
  4. 生活習慣: 喫煙やアルコール摂取が症状を悪化させることがあります。

診断

  1. 視診と触診: 医師は皮膚の状態を観察し、特徴的な症状を確認します。
  2. 皮膚生検: 必要に応じて、皮膚の一部を取って顕微鏡で調べ、乾癬かどうかを確認します。

治療

  1. 外用薬:
    ステロイド外用薬: 炎症を抑えるために使用されます。
    ビタミンD誘導体: 皮膚の成長を抑制し、鱗屑を減少させます。
  2. 内服薬:オテズラ(PDE4阻害剤)
  3. 生物学的製剤: 免疫系の特定の部分を標的とする新しい治療法で、皮下注射です。
  4. 光線療法: 紫外線を使用して皮膚の炎症を抑える治療法です。
  5. 生活習慣の改善: ストレス管理、バランスの取れた食事、適度な運動、アルコールやタバコの摂取を控えることが推奨されます。

予防と管理

  1. トリガーの回避: ストレスや感染症、皮膚の損傷を避けるようにします。
  2. 皮膚の保護: 保湿剤を使用して皮膚を柔らかく保ちます。
  3. 定期的な診察: 症状の変化に応じて治療法を調整します。

乾癬は完全に治癒することは難しいですが、適切な治療とケアによって症状を管理し、生活の質を向上させることが可能です。近年、非常に効果のある治療薬が次々開発され、現在も治験が進んでいます。非常に治療の選択肢が広がった疾患の1つです。

魚鱗癬

魚鱗癬(ぎょりんせん)は、遺伝的な皮膚疾患の一種で、皮膚が乾燥し、鱗のような角質が形成されることが特徴です。以下に魚鱗癬の主なポイントを説明します。

特徴

  1. 乾燥と角質化: 皮膚が非常に乾燥し、硬く厚い角質が蓄積します。これが魚の鱗のように見えることから「魚鱗癬」と呼ばれます。
  2. 分布: 主に四肢の伸側(肘や膝の外側)や胴体に見られますが、全身に広がることもあります。顔や関節の曲げる部分にはあまり見られません。
  3. かゆみ: 多くの場合、かゆみを伴います。
  4. 種類: 魚鱗癬にはいくつかの異なる種類があり、それぞれ特徴が異なります。

種類

  1. 尋常性魚鱗癬: 最も一般的なタイプで、通常は幼児期に症状が現れます。乾燥と鱗屑が主な特徴です。
  2. X連鎖性魚鱗癬: 男性に多く見られる遺伝性疾患で、生後すぐに症状が現れることがあります。目立つ鱗屑が見られます。
  3. 先天性魚鱗癬様紅皮症: 生まれつき全身が赤く厚い膜に覆われ、その後、重度の角質化が進行します。
  4. 層状魚鱗癬: 皮膚が厚くなり、しっかりとした大きな鱗が形成されます。

原因

  1. 遺伝的要因: 多くの魚鱗癬は遺伝子の異常が原因で発生します。遺伝子の異常が皮膚の正常な角質化プロセスを妨げます。
  2. 環境要因: 冬の乾燥した空気や湿度の低下が症状を悪化させることがあります。

診断

  1. 視診と病歴: 皮膚の状態を観察し、家族歴や症状の発生時期についてお伺いします。

治療

  1. 保湿剤: 皮膚を柔らかく保つために、保湿剤を頻繁に使用します。尿素や乳酸を含む保湿剤が効果的です。
  2. 角質溶解剤: サリチル酸やアルファヒドロキシ酸(AHA)を含む製品が使用され、角質を柔らかくし、取り除くのを助けます。
  3. 外用薬: ビタミンD誘導体やレチノイドを含む外用薬が処方されることがあります。
  4. 入浴: 長時間の入浴や油分を含む入浴剤を使用することで、皮膚を柔らかくし、角質を除去しやすくします。

予防と管理

  1. 適切なスキンケア: 日常的に保湿を行い、皮膚を柔らかく保ちます。
  2. 環境の調整: 室内の湿度を適切に保ち、乾燥を防ぎます。
  3. 衣類の選択: 肌に優しい素材の衣類を選び、刺激を避けます。
  4. 適度な日光浴: 適度な日光浴が皮膚の健康に寄与することがありますが、過度な日光浴は避けます。

魚鱗癬は完治することは難しいですが、適切なケアと治療によって症状を管理し、生活の質を向上させることが可能です。

すすめします。

血管炎・紫斑病

肥厚性瘢痕(ケロイド)

肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)は、皮膚の外傷や手術などによって生じた瘢痕が過剰に盛り上がり、肥厚する状態を指します。これは瘢痕組織が過剰に生成されることで起こり、通常の瘢痕よりも大きく、厚くなりますが、元の傷の範囲を超えて広がることはありません。以下に肥厚性瘢痕の主なポイントを説明します。

特徴

  1. 外観: 赤みを帯びた硬い盛り上がりが見られます。時間が経つにつれて色が薄くなることがあります。
  2. 位置: 元の傷跡の範囲内に限られ、広がることはありません。
  3. かゆみと痛み: 多くの場合、かゆみや軽度の痛みを伴うことがありますが、触ると硬く感じます。
  4. 成長: 傷が治癒してから数週間から数ヶ月の間に肥厚が進行し、その後徐々に安定します。

原因

  1. 外傷: 切り傷、擦り傷、熱傷などの皮膚の損傷。
  2. 手術: 手術による切開部分が肥厚性瘢痕になることがあります。
  3. 炎症: 強い炎症反応が引き金となることがあります。
  4. 個人差: 一部の人は遺伝的に肥厚性瘢痕を形成しやすい傾向があります。

診断

  1. 視診と触診: 医師は瘢痕の外観と触感を確認し、肥厚性瘢痕とケロイドを区別します。
  2. 病歴: 患者の過去の外傷や手術の経過を確認します。

治療

  1. 圧迫療法: 圧迫バンドやガーメントを使用して、瘢痕の成長を抑制します。
  2. ステロイド注射: ステロイドを直接瘢痕に注射し、炎症を抑えて組織の成長を抑制します。
  3. シリコンジェルシート: シリコンジェルを使用して、瘢痕の柔軟性を高め、成長を抑えます。
  4. レーザー治療: レーザーを使用して、瘢痕組織を削減し、赤みを軽減します。

予防

  1. 適切な傷のケア: 外傷後や手術後は、適切な傷のケアを行い、感染を防ぐことが重要です。
  2. 圧迫と保湿: 傷が治癒する過程で圧迫と保湿を行うことで、肥厚性瘢痕のリスクを軽減します。
  3. 紫外線の回避: 傷が紫外線にさらされると、瘢痕が悪化することがあるため、日焼け止めやカバーを使用します。

肥厚性瘢痕は見た目や触感が気になることが多いですが、適切な治療とケアを行うことで改善することが可能です。症状が気になる場合は、受診をお勧めします。

膠原病と類縁疾患

子どものウイルス感染症(みずぼうそう・単純ヘルペス・急性発疹症)

掌蹠膿胞症

掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)は、手のひら(掌)や足の裏(蹠)に膿疱(のうほう)と呼ばれる小さな膿の入った水疱が繰り返し発生する慢性の皮膚疾患です。この疾患は感染性ではなく、通常は非感染性の炎症反応によって引き起こされます。

主な特徴

  • 出現部位:手のひらや足の裏
  • 症状:小さな膿疱、赤み、かゆみ、痛み、皮膚のひび割れや剥がれ
  • 再発性:症状は一時的に軽快することがありますが、再発しやすい特徴があります

原因

掌蹠膿疱症の正確な原因は不明ですが、以下の要因が関与していると考えられています:

  • ストレス:精神的・身体的ストレスが症状を悪化させることがあります。
  • 喫煙:多くの患者で喫煙が関与していることが示唆されています。
  • 感染症:特に慢性的な扁桃炎などの感染症が引き金となることがあります。
  • 金属アレルギー:特定の金属に対するアレルギーが関与する場合があります。

診断

診断は主に臨床的な観察と患者の症状に基づいて行われます。必要に応じて皮膚の生検が行われることもあります。

治療

治療の目的は症状の管理と再発の予防です。以下の治療法が一般的に用いられます:

  • 薬物療法:外用ステロイド、ビタミンD3外用薬、生物学的製剤
  • 光線療法:紫外線療法
  • 生活習慣の改善:禁煙、ストレス管理、適切なスキンケア
  • その他の治療:金属アレルギーの対策

管理と予防

  • ストレス管理:ストレスが症状の悪化につながることがあるため、適切なストレス管理が重要です。
  • 禁煙:喫煙が症状を悪化させることがあるため、禁煙が推奨されます。
  • 皮膚のケア:適切な保湿や皮膚の保護が必要です。

掌蹠膿疱症は慢性的な疾患であり、完全な治癒は難しいことが多いですが、適切な治療と生活習慣の改善によって症状のコントロールが可能です。

じんま疹

じんま疹(蕁麻疹、じんましん)は、皮膚に一時的に発生する赤い、かゆみを伴う発疹です。通常、発疹は数時間から数日で消えることが多いですが、場合によっては数週間以上続くこともあります。

主な特徴

  • 発疹の外観:赤く浮き上がった斑点や膨疹(腫れた部分)が特徴です。形や大きさはさまざまで、一部は融合して大きな斑点を形成することもあります。
  • かゆみ:非常に強いかゆみを伴うことが一般的です。
  • 一過性:発疹は移動することが多く、同じ場所に長く留まることは稀です。

種類

  • 急性じんま疹:通常は数時間から数日で消失します。一般的な原因にはアレルギー反応、感染、薬物反応などがあります。
  • 慢性じんま疹:発疹が6週間以上続く場合を指します。原因は不明なことが多いですが、自己免疫反応が関与していることがあります。

原因

じんま疹の原因は多岐にわたりますが、以下のような要因が考えられます:

  • アレルギー反応:特定の食品、薬物、昆虫刺咬などに対するアレルギー反応
  • 物理的刺激:温度変化、圧力、日光などの物理的刺激
  • 感染:ウイルス感染や細菌感染
  • ストレス:精神的・身体的ストレス
  • その他:自己免疫反応、ホルモンの変動など

診断

診断は主に臨床的な観察と患者の病歴に基づいて行われます。必要に応じてアレルギーテストや血液検査が行われることもあります。

治療

治療の目的は症状の緩和と原因の特定・回避です。以下の治療法が一般的に用いられます:

  • 抗ヒスタミン薬:かゆみと発疹を抑えるために最も一般的に使用されます。
  • ステロイド薬:重症例では短期間の内服ステロイドが使用されることがあります。
  • その他の薬物:慢性じんま疹では、生物学的製剤が使用されることがあります。

管理と予防

  • 原因の特定と回避:アレルゲンやトリガーを特定し、回避することが重要です。
  • ストレス管理:ストレスが症状を悪化させることがあるため、適切なストレス管理が推奨されます。
  • 皮膚のケア:刺激を避けるために適切なスキンケアが重要です。
  • 体温を上げない:熱い長い入浴・激しい運動・飲酒などは、悪化しやすくなります。

じんま疹は多くの場合一時的なものであり、適切な治療と管理によって症状を緩和することが可能です。早く症状を抑えることが再発や慢性じんま疹への進行の予防となります。早めの受診をおすすめします。

性感染症

梅毒

梅毒(ばいどく)は、トレポネーマ・パリダム(Treponema pallidum)という細菌によって引き起こされる性感染症です。未治療のまま放置すると、さまざまな臓器や組織に影響を与え、深刻な健康問題を引き起こすことがあります。

梅毒の段階と症状

1. 初期(第1期)梅毒

  • 症状:感染から約3週間後に、性器、肛門、口などの感染部位に硬性下疳と呼ばれる無痛の潰瘍が出現します。この潰瘍は数週間で自然に消失しますが、治癒しても細菌は体内に残ります。

2. 第二期梅毒

  • 症状:感染から数週間から数ヶ月後に、全身に発疹が現れます。この発疹は手のひらや足の裏に出ることが多く、痛みやかゆみはほとんどありません。その他の症状として、リンパ節の腫れ、発熱、喉の痛み、筋肉痛、倦怠感などが見られます。この段階の症状も自然に消えることがあります。

3. 潜伏梅毒

  • 症状:第二期の症状が消失した後、何の症状も現れない期間が続くことがあります。この期間中も細菌は体内に存在し、感染力を持ち続けます。

4. 第三期(後期)梅毒

  • 症状:感染から数年から数十年後に現れることがあります。心臓、血管、脳、神経系、骨、関節などに深刻な障害を引き起こす可能性があります。症状には、大動脈瘤、神経梅毒、ゴム腫(皮膚や臓器にできる腫瘍様の病変)などがあります。

診断

  • 血液検査:梅毒を診断するために行われます。特定の抗体の有無を検査します。
  • 症状:硬性下疳や発疹など。

治療

  • 抗生物質:主にペニシリンが使用されます。ペニシリンアレルギーのある患者には、他の抗生物質が使用されることがあります。
  • 治療期間:病期によって異なりますが、早期の治療が重要です。遅れると治療が難しくなり、後遺症が残る可能性があります。

予防

  • コンドームの使用:正しく使用することで梅毒を含む多くの性感染症のリスクを減少させることができます。
  • 定期的な検査:特に複数の性パートナーがいる場合や不特定多数との性行為がある場合、定期的に血液検査を受けることが重要です。
  • 性行為の相手を限定:信頼できるパートナーとの性行為を推奨します。
  • パートナーの検査と治療:パートナーも一緒に検査を受け、必要に応じて治療を行うことが重要です。

梅毒は適切な治療を受けることで完全に治癒することが可能ですが、早期発見と早期治療が重要です。疑わしい症状がある場合やリスクがある場合は、早めに受診してください。

ヒトパピローマウイルス(HPV)感染症

ヒトパピローマウイルス(HPV)感染症は、ヒトパピローマウイルス(Human Papillomavirus)によって引き起こされる感染症の総称です。HPVは非常に一般的なウイルスであり、多くの異なる型があります。これらのウイルスは、皮膚や粘膜に感染し、さまざまな健康問題を引き起こす可能性があります。

主な特徴と症状

  • 性器いぼ(尖圭コンジローマ):HPVの低リスク型(特にHPV6およびHPV11)が引き起こす。性器や肛門周囲に小さな突起物(いぼ)ができる。痛みやかゆみがある場合もありますが、無症状の場合も多いです。
  • 子宮頸がん:HPVの高リスク型(特にHPV16およびHPV18)が長期間にわたって感染すると、子宮頸がんを引き起こすことがあります。初期の感染は通常無症状ですが、がんの進行とともに異常出血や骨盤痛などの症状が現れることがあります。
  • その他のがん:HPVは肛門がん、外陰がん、膣がん、陰茎がん、口腔咽頭がんなども引き起こすことがあります。

HPVの感染経路

HPVは主に性的接触を通じて感染します。性行為だけでなく、性器同士の接触や皮膚と皮膚の接触によっても感染することがあります。

診断

  • パップテスト(子宮頸がん検診):子宮頸部の細胞を採取し、異常細胞の有無を調べる検査です。(当院では行っていません)
  • HPV検査:子宮頸部の細胞を採取し、HPVの有無を調べる検査です。(当院では行っていません)
  • 視診:性器いぼが見られる場合、視診で診断されることが多いです。

治療

HPV感染自体には特定の治療法はありませんが、感染によって引き起こされる症状や合併症に対する治療が行われます。

  • 性器いぼの治療:クリームやゲルの外用薬、凍結療法、レーザー治療などが用いられます。
  • 異常細胞の治療:子宮頸がんの前がん病変の場合、異常な細胞を除去するための手術が行われることがあります。(当院では行っていません)
  • がんの治療:がんが進行した場合、外科手術、放射線療法、化学療法などが用いられます。(当院では行っていません)

予防

  • HPVワクチン:HPVワクチンは、HPVの感染を予防する最も効果的な方法です。ワクチンはHPVの最も一般的な高リスク型と低リスク型の両方に対して効果があります。(当院ではシルガードのワクチン接種を行っています。)
  • コンドームの使用:コンドームを正しく使用することで、HPV感染のリスクを減少させることができます。ただし、コンドームがカバーしていない部分にウイルスが存在することがあるため、完全な予防はできません。

HPV感染は非常に一般的であり、多くの人が生涯に一度は感染する可能性がありますが、多くの場合、免疫システムがウイルスを自然に排除します。予防と早期発見、そして適切な治療が重要です。

円形脱毛症

円形脱毛症(えんけいだつもうしょう)は、自己免疫疾患の一種で、体の免疫システムが誤って自分の毛包(毛が生える部分)を攻撃することによって発生する脱毛症です。この状態は、突然の髪の喪失を特徴とし、頭皮、顔(特に眉毛やまつげ)、体の他の部分に円形の脱毛斑が現れることが多いです。

特徴

  1. 突然の発症: 脱毛は通常、突然現れ、数週間以内に広がることがあります。
  2. 円形の斑点: 脱毛は一般的にコインのような丸い形で現れますが、不規則な形を取ることもあります。
  3. 単一または多発性: 1つの脱毛斑だけが現れる場合もあれば、複数の斑点が発生することもあります。

原因

円形脱毛症の正確な原因はまだ完全には解明されていませんが、遺伝的要因や環境要因が関連していると考えられています。また、ストレスや特定の感染症もトリガーになることがあります。

診断

視診と病歴から診断を行います。場合によっては、皮膚の生検が必要なこともあります。

治療

円形脱毛症の治療法にはいくつかありますが、完全な治癒を保証するものはありません。治療法には以下が含まれます:

  • 局所ステロイド: 炎症を抑えるためにステロイドクリームや軟膏を使用します。
  • 局所免疫療法: 化学物質を皮膚に塗布し、軽度のアレルギー反応を引き起こして免疫系を再訓練します。当院ではDPCPを行っています。
  • 光線療法: 紫外線を使用して毛髪の再生を促進します。
  • 経口薬: 重度の場合には、JAK阻害剤(オルミエント・リットフーロカプセル)を内服します。

生活への影響

円形脱毛症は見た目の変化だけでなく、心理的なストレスや不安を引き起こすことがあります。

予後

多くの人々は自然に髪が再生することがありますが、再発する場合もあります。治療を受けても完全に治癒しないこともあり、長期的な管理が必要になることがあります。JAK阻害剤の内服は効果的であることが多いですが、検査が必要である事、高額であることなどが患者さまが二の足を踏む要因となっています。

陥入爪

陥入爪(かんにゅうそう)、または巻き爪は、爪が周囲の皮膚に食い込む状態を指します。通常、足の親指に発生しやすいですが、他の指にも起こり得ます。この状態は痛みや炎症を引き起こし、感染のリスクも伴います。

特徴

  1. 痛み: 爪が皮膚に食い込むことで強い痛みが生じます。
  2. 腫れと赤み: 食い込んだ部分の周囲に炎症が発生し、腫れや赤みが見られます。
  3. 感染: 放置すると感染が起こり、膿が溜まることがあります。

原因

陥入爪の原因には以下のようなものがあります:

  • 爪の切り方: 爪の端を短く切ると、角が皮膚に食い込みやすくなります。
  • 不適切な靴: きつい靴やハイヒールなど、爪に圧力がかかる靴の着用。
  • 外傷: 爪に直接的な外傷が加わること。
  • 遺伝的要因: 家族歴がある場合、陥入爪になるリスクが高まることがあります。
  • 爪の形状や厚さ: 特定の形状や厚さの爪は、陥入爪になりやすい。

診断

視診で診断します。感染が疑われる場合は、さらに検査を行うことがあります。

治療

陥入爪の治療法には以下が含まれます:

  • 適切な爪の切り方: 爪を横にまっすぐに切り、両サイドは短くせず、角を丸めないようにします。
  • 靴の選び方: 適切なサイズの靴を選び、足に負担をかけないようにします。紐靴では、はいた後、甲で紐をしっかり締めて足が前に行き過ぎないようにします。
    安全靴は悪化する要因の1つになります。
  • 生活習慣:足を上げていると血流がよくなり、回復が早くなります。休憩の時など、なるべく足を上げるように心がけてください。
    体重が重いとその分足の趾先に負担がかかります。体重コントロールはとても大切です。
  • 医療処置: 痛みが強い場合や感染が見られる場合は、手術でアクリルの人工爪を作成し食い込みをなくしたり(陥入爪手術)、ワイヤーで爪の形を矯正したりします。(VHO法:保険適応外)
  • 抗生物質: 感染がある場合、抗生物質を内服します。

予防

  • 正しい爪の切り方: 爪を横にまっすぐに切り、両サイドは短くせず、角を丸めないことが重要です。
  • 適切な靴の着用: 足に合った靴を選び、長時間の圧力を避けること。

陥入爪は早期に対処することで、重篤な状態を防ぐことができます。

爪白癬(爪水虫)

爪白癬(つめはくせん)は、爪の真菌感染症の一種で、爪の変色、厚み、割れなどの症状を引き起こします。以下に爪白癬の主な特徴、原因、症状、診断、治療法について説明します。

特徴

  1. 部位: 主に足の爪に発生しますが、手の爪にも感染することがあります。
  2. 進行: 初期には爪の一部に軽い変色や厚みが見られますが、進行すると爪全体に広がります。

原因

  1. 真菌感染: 主に皮膚糸状菌という真菌が原因で、他にもカンジダやカビが原因となることがあります。
  2. 感染経路: 公共のシャワーやプール、裸足での歩行、他の感染者との接触などを通じて感染します。

症状

  1. 爪の変色: 爪が白色、黄色、茶色、または黒色に変色します。
  2. 爪の厚み: 感染が進行すると、爪が厚くなり、デコボコしたり、変形したりします。
  3. 爪の割れや崩れ: 爪が割れやすくなり、崩れることがあります。
  4. 痛み: 感染が進行すると痛みを伴うことがあります。

診断

  1. 視診と問診: 爪の状態、症状や既往歴を確認します。
  2. 顕微鏡検査: 爪の一部を採取して顕微鏡で真菌を確認します。

治療

  1. 外用薬: 抗真菌クリームや液体を爪に塗布します
  2. 内服薬: 抗真菌薬を内服します。治療期間は通常3か月~6か月です。この間、定期的に血液検査が必要です。

予防

  1. 公共の場での注意: 公共のシャワーや更衣室ではスリッパを使用し、直接接触を避けます。

爪白癬は治療に時間がかかることが多いため、早期の診断と治療が重要です。また、再発防止のために予防策を講じることも大切です。

グリーンネイル

グリーンネイル(緑膿菌感染症)は、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)という細菌によって引き起こされる爪の感染症です。この細菌は湿った環境で繁殖しやすく、爪の下や爪周囲の皮膚に感染します。

主な特徴

  • 爪の変色:感染した爪は緑色や緑がかった黒色に変色します。この変色は、細菌が生成するピオシアニンという色素によるものです。
  • 爪の脆弱化:感染した爪は脆くなり、割れやすくなることがあります。
  • 悪臭:感染が進行すると、爪から悪臭がすることがあります。
  • 痛みや腫れ:感染が深刻になると、爪やその周囲の皮膚に痛みや腫れが生じることがあります。

原因

グリーンネイルは以下のような条件で発生しやすくなります:

  • 爪の損傷:爪が物理的に損傷を受けると、細菌が侵入しやすくなります。
  • 長時間の水や湿気への暴露:頻繁に水に触れる仕事(例:洗い物、清掃業)や湿った環境は細菌の繁殖を助長します。
  • 不適切なネイルケア:ネイルサロンでの不衛生な器具の使用や不適切なネイルケアが感染の原因となることがあります。

診断

グリーンネイルは主に臨床的な観察によって診断されます。爪の変色やその他の症状を基に診断が行われますが、細菌培養検査によって確認することもあります。

治療

治療は感染の程度や症状に応じて異なりますが、一般的には以下の方法が用いられます:

  • 抗生物質:局所的に使用する抗生物質(クリームや液体)が一般的です。重症例では内服薬が処方されることもあります。
  • 爪のケア:感染部位の爪を清潔に保ち、乾燥させることが重要です。感染した爪を切る際には清潔な器具を使用し、感染が広がらないように注意します。
  • ネイル製品の一時停止:感染が治るまで、マニキュアや人工爪の使用を避けることが推奨されます。

予防

グリーンネイルを予防するためには、以下の対策が有効です:

  • 爪の清潔と乾燥:爪を常に清潔に保ち、特に水仕事の後にはよく乾かすことが重要です。
  • 適切なネイルケア:ネイルサロンでの施術を受ける場合は、衛生管理が徹底されているサロンを選びましょう。また、個人でネイルケアを行う場合は、器具の清潔を保つことが重要です。
  • 手袋の使用:水仕事や湿気の多い環境での作業時には、防水手袋を着用することが推奨されます。

グリーンネイルは適切なケアと治療によって治癒することができます。疑わしい症状がある場合は、早めに受診されることをおすすめします。

爪カンジダ症

爪カンジダ症は、カンジダ属の真菌によって引き起こされる爪の感染症です。この感染症は主に手の爪に影響を及ぼし、爪の変色、肥厚、脆弱化などの症状を引き起こします。カンジダ症は湿潤環境や免疫力の低下により発生しやすく、特に高湿度の環境や長時間水に触れる職業に従事する人々に多く見られます。

特徴

  1. 爪の変色: 感染した爪が白、黄、緑または茶色に変色します。
  2. 爪の肥厚: 爪が厚くなり、変形することがあります。
  3. 脆弱化: 感染した爪がもろくなり、割れやすくなります。
  4. 周囲の炎症: 爪の周囲の皮膚が赤く腫れ、痛みやかゆみを伴うことがあります。

原因

  • カンジダ属真菌: 特にCandida albicansが多くの症例の原因となります。
  • 高湿度環境: 長期のネイルや長時間の水仕事など、湿った環境が原因となることがあります。
  • 免疫力の低下: 糖尿病、HIV感染症、免疫抑制剤の使用など、免疫力が低下した状態で発生しやすくなります。
  • 外傷: 爪やその周囲の皮膚に傷があると、感染リスクが高まります。

診断

視診や顕微鏡検査、培養検査を行って真菌の存在を確認します。

治療

爪カンジダ症の治療には以下の方法があります:

  • 抗真菌薬の塗布: 外用薬として抗真菌クリームやローションを爪やその周囲に塗布します。
  • 経口抗真菌薬: 重度の感染や外用薬が効果を示さない場合、経口抗真菌薬が処方されます。
  • 適切なケア: 爪を乾燥させ、清潔に保つことが重要です。湿った環境を避け、長時間の水仕事を控えることが推奨されます。

予防

  • 適切な手指のケア: 手指を清潔かつ乾燥した状態に保つことが重要です。
  • 保護具の使用: 水仕事や湿った環境での作業時には、手袋を着用することを推奨します。
  • 早期の対処: 爪やその周囲に異常を感じた場合、早めに医師の診断を受けることが重要です。

爪カンジダ症は適切な治療と予防策を講じることで管理可能です。

中毒疹

中毒疹(ちゅうどくしん)は、薬や食品、化学物質、感染症などが体内に入った際、免疫システムが過剰に反応することで引き起こされる皮膚の発疹や炎症です。この反応は、原因物質に対するアレルギーや過敏反応の一種で、症状の出方は個人差があります。皮膚に発赤やかゆみ、腫れ、水疱などが現れ、時には全身に広がることもあります。

中毒疹の主な原因

  1. 薬剤:抗生物質や鎮痛薬、解熱剤などの薬が中毒疹を引き起こすことが多いです。ペニシリン系、サルファ剤などは特にアレルギー反応を引き起こしやすい薬です。
  2. 食品:ナッツ、甲殻類、小麦、卵など、特定の食品や食品添加物に対するアレルギー反応が原因となることがあります。
  3. 化学物質:化粧品や洗剤、金属などの接触により、皮膚が反応して発疹が出る場合があります。
  4. 感染症:一部のウイルスや細菌感染が引き金となり、発疹が現れることがあります。

中毒疹の症状

症状は原因や体質により異なりますが、一般的な症状には以下のものがあります:

  • 発赤や発疹:かゆみを伴う赤い斑点や腫れが生じます。
  • 水疱や丘疹:小さな水疱や隆起した発疹ができることがあります。
  • 腫れ:顔、まぶた、唇などに腫れが出ることもあります。
  • 全身症状:発熱、倦怠感、頭痛などの全身症状が伴う場合もあります。

中毒疹の治療

治療は原因物質の除去が最優先です。以下のような対症療法も行われます:

  • 抗ヒスタミン薬:かゆみを和らげるために使用されます。
  • ステロイド外用薬:炎症を抑え、発疹やかゆみを軽減します。
  • 経口ステロイド:重症の場合、医師の指示により服用します。

中毒疹の予防と日常の対策

  • 原因物質の確認と回避:再発を防ぐため、原因となる物質を特定し、接触や摂取を避けます。
  • アレルギー検査:パッチテストや血液検査でアレルギー原因を特定することが有効です。
  • スキンケア:皮膚のバリア機能を保つために保湿を心がけます。

中毒疹は原因物質との再接触で再発しやすいため、生活の中で原因を避け、医師と相談しながら適切な治療を受けることが大切です。

皮脂欠乏性湿疹

皮脂欠乏性湿疹(ひしけつぼうせいしっしん)、または乾燥性湿疹は、皮膚が乾燥し、ひび割れやかゆみを引き起こす湿疹の一種です。この状態は特に冬季に悪化しやすく、高齢者や乾燥した環境に長時間さらされる人々に多く見られます。

特徴

  1. 乾燥した皮膚: 皮膚が乾燥してざらざらした質感になります。
  2. ひび割れ: 乾燥によって皮膚にひび割れが生じることがあります。
  3. かゆみ: 強いかゆみを伴うことが多く、掻き壊すことでさらに皮膚が傷つきます。
  4. 発疹: 乾燥した部分に赤い発疹や小さな丘疹が現れることがあります。
  5. 落屑: 乾燥した皮膚が剥がれ落ちることがあります。

原因

皮脂欠乏性湿疹の主な原因は、皮脂の減少による皮膚の乾燥です。以下の要因が関与します:

  • 年齢: 高齢者は皮脂の分泌量が減少しやすく、乾燥肌になりやすいです。
  • 環境要因: 冬季の乾燥した空気や、暖房による湿度の低下が乾燥を悪化させます。
  • 過度の洗浄: 石鹸やシャワーによる過度の洗浄が皮脂を取り除き、乾燥を引き起こします。
  • 遺伝的要因: 遺伝的に乾燥肌になりやすい人もいます。

診断

症状と皮膚の状態から診断します。また、他の皮膚疾患を除外するために病歴を確認します。

治療

皮脂欠乏性湿疹の治療には以下の方法があります:

  • 保湿剤の使用: 皮膚の乾燥を防ぐために、保湿クリームやローションを定期的に使用します。
  • 入浴方法の工夫: 長時間の入浴や熱いお湯を避けることが大切です。優しい石鹸を少量使用し、手でやさしく洗います。入浴後15~30分後に保湿剤を塗布します。
  • 局所ステロイド: 炎症を抑えるために、局所ステロイドクリームを使用することがあります。
  • 抗ヒスタミン薬: かゆみを軽減するために、抗ヒスタミン薬を内服します。
  • 環境調整: 室内の湿度を適度に保つために加湿器を使用することが推奨されます。

予防

  • 適切なスキンケア: 定期的に保湿剤を使用し、乾燥を防ぐことが重要です。
  • 環境管理: 室内の湿度を適切に保ち、過度の暖房やエアコン使用を控えます。
  • 適切な入浴習慣: 短時間のぬるま湯での入浴と、低刺激性の洗浄剤の使用を心がけます。

皮脂欠乏性湿疹は適切なスキンケアと環境管理により予防および改善することが可能です。

脂漏性皮膚炎

脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)は、皮脂の分泌が多い部位に発生する慢性的な皮膚炎です。通常、頭皮、顔、耳の周り、胸部、および背中の上部に影響を与え、赤み、かゆみ、フケ、鱗屑(りんせつ)が特徴です。

特徴

  1. 赤み: 皮膚が赤くなることがあります。
  2. フケや鱗屑: 頭皮に白色や黄色のフケや鱗屑が現れます。
  3. かゆみ: 強いかゆみを伴うことが多いです。
  4. 皮脂の多い部位に発生: 特に皮脂腺が多い部位(頭皮、顔、胸部、背中の上部など)に発生します。
  5. 慢性的な経過: 症状は一時的に改善することがありますが、再発しやすい疾患です。

原因

脂漏性皮膚炎の正確な原因は完全には解明されていませんが、以下の要因が関与していると考えられています:

  • 皮脂の過剰分泌: 皮脂腺の活発な分泌が影響します。
  • マラセチア菌: 皮膚の常在菌であるマラセチア(Malassezia)が増殖し、炎症を引き起こすことがあります。
  • 遺伝的要因: 家族歴がある場合、脂漏性皮膚炎のリスクが高まります。
  • ストレス: 精神的ストレスが症状を悪化させることがあります。
  • 環境要因: 高湿度や寒冷な気候が症状を悪化させることがあります。
  • 免疫系の異常: 免疫系の異常反応が関与している可能性があります。

診断

診断は主に臨床症状に基づきます。医師は患者の病歴を確認し、皮膚の外観を観察します。必要に応じて、真菌感染症や他の皮膚疾患を除外するために皮膚生検が行われることもあります。

治療

脂漏性皮膚炎の治療には以下の方法があります:

  • 局所ステロイド: 炎症を抑えるために、短期間の使用が推奨されます。
  • 局所抗真菌薬: クリームやローションとして使用されることがあります。
  • 保湿剤: 皮膚の乾燥を防ぐために使用します。
  • 生活習慣の改善: ストレス管理、バランスの取れた食事、適度な睡眠なども症状の管理に役立ちます。

予防

  • 適切なスキンケア: 皮膚を清潔に保ち、適度な保湿を行います。
  • ストレス管理: ストレスを適切に管理することが重要です。
  • 健康的な生活習慣: バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠を心がけます。

脂漏性皮膚炎は慢性的な状態ですが、適切な治療と予防策により、症状を効果的に管理することが可能です。

小児乾燥性湿疹

小児乾燥性湿疹(しょうにかんそうせいしっしん)、またはアトピー性皮膚炎は、幼児や子供に多く見られる慢性的な皮膚疾患です。この状態は皮膚の乾燥、かゆみ、発疹を引き起こし、特に寒冷で乾燥した季節に悪化することが多いです。

特徴

  1. 乾燥した皮膚: 皮膚が乾燥してザラザラした質感になります。
  2. かゆみ: 強いかゆみがあり、掻き壊すことで皮膚がさらに悪化することがあります。
  3. 発疹: 顔、首、手足の関節部などに赤い発疹や湿疹が現れます。
  4. ひび割れと落屑: 皮膚がひび割れたり、乾燥した皮膚が剥がれ落ちることがあります。
  5. 慢性的な経過: 症状は一時的に改善することがありますが、繰り返します。

原因

小児乾燥性湿疹の原因は複数の要因が組み合わさっていると考えられています:

  • 遺伝的要因: 家族にアレルギー疾患やアトピー性皮膚炎がある場合、リスクが高まります。
  • 環境要因: 乾燥した気候、寒冷な天候、ホコリ、花粉などのアレルゲンが症状を悪化させることがあります。
  • 皮膚のバリア機能の低下: 皮膚の保湿能力が低下し、乾燥しやすくなることが一因です。
  • 免疫系の異常: 免疫系の異常反応が炎症を引き起こします。

診断

患者の病歴や家族歴を確認し、皮膚の状態から診断します。必要に応じて、アレルギー検査や皮膚生検が行われることもあります。

治療

小児乾燥性湿疹の治療には以下の方法があります:

  • 保湿剤の使用: 皮膚の乾燥を防ぐために、保湿クリームやローションを定期的に使用します。
  • 局所ステロイド: 炎症を抑えるために、短期間の使用が推奨されます。
  • 抗ヒスタミン薬: かゆみを軽減するために、抗ヒスタミン薬を内服します。
  • 免疫調節薬: 重症例では、免疫系の反応を調節するための外用薬が使用されることがあります。
  • 入浴とスキンケア: 適度な温度の水で短時間入浴し、入浴15~30分後に保湿剤を塗布します。

予防

  • 適切なスキンケア: 皮膚を清潔に保ち、適度な保湿を行います。
  • 環境管理: 室内の湿度を適切に保ち、ホコリやアレルゲンを減少させます。
  • 刺激物の回避: 刺激性のある衣類や洗剤、香水などを避けます。
  • 健康的な生活習慣: バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠を心がけます。

小児乾燥性湿疹は適切な治療と予防策により、症状を管理することが可能です。

脂漏性角化症

脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)は、一般的に「老人性いぼ」とも呼ばれる良性の皮膚腫瘍です。これは通常、中高年以降に現れ、顔、胸、背中、肩などに多く見られます。外見的には濃い茶色から黒色の隆起した斑点やいぼのような形状をしており、時には複数の斑点が集まって現れることがあります。

特徴

  1. 見た目: 平らまたはやや隆起した斑点やいぼのような形状で、色は茶色から黒色まで様々です。時にはワックス状や鱗屑のある表面を持つことがあります。
  2. 数と大きさ: 単発または多発性で、大きさは数ミリメートルから数センチメートルまであります。
  3. 痛みやかゆみ: 通常は無症状ですが、時にはかゆみや炎症を伴うことがあります。

原因

脂漏性角化症の正確な原因は不明ですが、以下の要因が関連していると考えられています:

  • 遺伝的要因: 家族歴がある場合、発生リスクが高まることがあります。
  • 加齢: 年齢を重ねるにつれて発生頻度が増加します。
  • 日光曝露: 紫外線曝露が関与している可能性がありますが、必ずしも直線的な因果関係は確認されていません。

診断

視診で特徴的な外観を確認し診断します。必要に応じてダーモスコピーを使用します。疑わしい場合や悪性腫瘍との区別が必要な場合は、皮膚生検が行われることがあります。

治療

脂漏性角化症は良性の腫瘍であるため、治療が必ずしも必要なわけではありません。ただし、見た目や物理的な不快感から治療を希望する場合には、以下の治療法があります:

  • 凍結療法: 液体窒素を使用して腫瘍を凍結し、除去します。
  • レーザー治療: レーザーを使用して腫瘍を焼灼します。
  • 外科的切除: メスをもちいて外科的に腫瘍を切除します。
  • 電気焼灼: 電気を使用して腫瘍を焼灼します。

予防

脂漏性角化症の発生を完全に防ぐ方法はありませんが、以下の予防策が推奨されます:

  • 日焼け止めの使用: 紫外線から皮膚を保護するために、日焼け止めを使用します。
  • 定期的な皮膚検査: 皮膚の変化を早期に発見するために、定期的な皮膚検査を行います。
  • 健康的な生活習慣: バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠を心がけます。

脂漏性角化症は良性であり、通常は健康に重大な影響を及ぼすことはありませんが、見た目や不快感が気になる場合は、一度受診されることをおすすめします。

天疱瘡

天疱瘡(てんぽうそう)は、自己免疫疾患の一種で、皮膚や粘膜に水疱やびらんを引き起こす病気です。この病気は、免疫システムが誤って皮膚や粘膜の細胞同士をつなぐ接着分子(デスモグレイン)を攻撃することによって発生します。天疱瘡は、治療がないと命に関わることがあるため、早期診断と治療が重要です。

特徴

  1. 水疱とびらん: 皮膚や粘膜に痛みを伴う水疱やびらんが形成されます。これらは破れやすく、表面にびらんが残ります。
  2. 全身に広がる: 病変は全身の皮膚や口腔内、鼻腔、咽頭、眼瞼結膜、外陰部などの粘膜にも発生することがあります。
  3. 痛み: 痛みや不快感を伴うことが多く、特に口腔内の病変があると食事や飲み物の摂取が困難になることがあります。

種類

天疱瘡にはいくつかのタイプがありますが、主なものは以下の通りです:

  • 尋常性天疱瘡: 最も一般的なタイプで、皮膚と粘膜の両方に影響を与えます。
  • 落葉性天疱瘡: 皮膚のみが影響を受け、粘膜には影響がありません。

原因

天疱瘡の正確な原因は不明ですが、以下の要因が関与していると考えられています:

  • 自己免疫反応: 免疫システムが誤ってデスモグレインという接着分子を攻撃します。
  • 遺伝的要因: 家族歴がある場合、発症リスクが高まることがあります。
  • 環境要因: 一部の薬剤や感染症が引き金となることがあります。

診断

診断は主に以下の方法で行われます:

  • 臨床診断: 症状と病変の外観を確認します。
  • 皮膚生検: 病変部の皮膚を採取して顕微鏡で検査します。
  • 免疫蛍光検査: 皮膚組織で自己抗体の存在を確認します。
  • 血液検査: 血中の自己抗体を測定します。

治療

天疱瘡の治療には以下の方法があります:

  • ステロイド: 炎症を抑えるために、経口ステロイドが使用されます。
  • 免疫抑制剤: 免疫反応を抑えるために、シクロスポリンなどの免疫抑制剤が処方されます。
  • 生物学的製剤: リツキシマブなどの生物学的製剤が使用されることがあります。(日本では治験中です)
  • 支持療法: 痛みの管理や二次感染の予防のために、適切な皮膚ケアや口腔ケアが行われます。

予後

適切な治療を受ければ、天疱瘡の症状を管理することが可能です。しかし、治療には長期間を要することが多く、再発することもあります。治療が早期に開始されるほど、予後は良好です。

天疱瘡は重篤な病気であるため、疑わしい症状が現れた場合は、早めに受診されることをおすすめします。

褥瘡(床ずれ)

褥瘡(じょくそう)は、長時間にわたり圧力がかかり続けることで皮膚や下部の組織に損傷が生じる状態です。寝たきりの患者や車椅子を使用する人に多く見られます。以下に褥瘡の主な特徴と予防・治療法について説明します。

特徴

  1. 部位:
  • 骨突出部(仙骨部、坐骨部、大転子部、かかとなど)に多く発生します。
  1. 段階:
  • 第1段階: 皮膚が赤くなり、触れると硬く感じるが、皮膚は破れていない。
  • 第2段階: 表皮が損傷し、浅い潰瘍や水疱が見られる。
  • 第3段階: 皮膚全層が損傷し、脂肪組織が露出する。
  • 第4段階: 筋肉や骨が露出し、深い潰瘍が形成される。

原因

  1. 圧力: 長時間の一定の圧力が血流を阻害し、組織の酸欠状態を引き起こします。
  2. せん断力: 皮膚が固定されている状態で身体が移動することで、内部の組織が引っ張られる。
  3. 摩擦: 皮膚が他の物体とこすれることで皮膚損傷が発生します。
  4. 湿度: 汗や排泄物などが皮膚に長時間接触することで皮膚が弱くなります。

予防

  1. 定期的な体位変換: 2時間ごとに体位を変えることで圧力を分散します。
  2. クッションやマットレスの使用: 圧力を分散する専用のマットレスやクッションを使用します。
  3. 皮膚の清潔と保湿: 皮膚を清潔に保ち、適切な保湿を行うことで皮膚の健康を維持します。
  4. 栄養管理: 十分な栄養を摂取することで皮膚の再生力を高めます。

治療

  1. 圧力の軽減: 患部にかかる圧力を取り除きます。
  2. 適切な創傷ケア: 感染を防ぐための消毒や適切なドレッシング材を使用します。
  3. 外科的処置: 重度の場合、壊死した組織の除去や皮膚移植が必要となることがあります。
  4. 医師の指導: 医師や看護師の指導の下で、適切なケアを行います。

褥瘡の予防と早期発見が重要ですので、リスクのある人々には日常的な観察とケアが不可欠です。

伝染性膿痂疹(とびひ)

伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)は、皮膚の細菌感染症の一種です。主に小児に多く見られますが、大人でも感染することがあります。以下に、伝染性膿痂疹の特徴、原因、症状、診断、治療、予防について説明します。

特徴

  1. 感染性: 非常に感染力が強く、特に幼稚園や学校などで流行しやすいです。
  2. 伝染経路: 接触感染が主で、感染者との直接的な皮膚の接触や、タオルやおもちゃなどの共用物を介して感染します。

原因

  1. 細菌: 主に黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)やA群β溶血性連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)が原因です。
  2. 皮膚の損傷: 虫刺され、擦り傷、湿疹などの皮膚の小さな傷口から細菌が侵入します。

症状

  1. 水疱(みずぶくれ): 最初は小さな赤い斑点が現れ、次第に水疱となり、これが破れると黄色いかさぶたが形成されます。
  2. 痂皮(かさぶた): 乾燥して黄色や茶色のかさぶたになります。
  3. かゆみ: 強いかゆみを伴うことが多く、掻くことでさらに感染が広がる可能性があります。
  4. 痛み: 重症化すると痛みを伴うことがあります。

診断

  1. 視診: 典型的な水疱や痂皮の外観で診断します。
  2. 培養検査: 必要に応じて、水疱の内容物や痂皮から細菌を培養し、具体的な菌種を特定することがあります。

治療

  1. 抗菌薬:
    外用薬: 抗菌クリームや軟膏を患部に直接塗布します。
    内服薬: 重症例や広範囲に感染が広がっている場合、抗生物質の内服が必要となることがあります。
  2. 清潔管理: 患部を清潔に保ち、乾燥させることが重要です。
  3. かゆみ止め: かゆみが強い場合、かゆみ止めの薬を併用することもあります。

予防

  1. 手洗い: 石鹸と水で頻繁に手を洗うことで感染を防ぎます。
  2. 傷の管理: 皮膚に傷ができた場合は、早めに清潔にし、消毒して覆うことで感染を防ぎます。
  3. 個人用物品の分離: タオルや衣類、おもちゃなどは個別に使用し、共用を避けます。
  4. 感染者の隔離: 感染者は他の人との接触を避け、特に学校や幼稚園などでは感染拡大を防ぐために休むことが推奨されます。

伝染性膿痂疹は適切な治療と予防策を講じることで、早期に回復し、感染の拡大を防ぐことができます。早めに受診されることをおすすめします。

尋常性ざ瘡(ニキビ)

尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)、一般に「ニキビ」として知られる皮膚疾患です。主に思春期に多く見られますが、大人にも発症します。以下に、尋常性ざ瘡の特徴、原因、症状、診断、治療、予防について説明します。

特徴

  1. 発生部位: 主に顔、胸、背中、肩など皮脂腺が多い部位に発生します。
  2. 年齢層: 思春期の若者に多く見られますが、大人のニキビも一般的です。

原因

  1. ホルモン: 思春期に分泌されるアンドロゲン(男性ホルモン)が皮脂腺を刺激し、皮脂の分泌が増加します。
  2. 皮脂の過剰分泌: 皮脂が過剰に分泌されると、毛穴が詰まりやすくなります。
  3. アクネ菌: 詰まった毛穴に常在するアクネ菌(Propionibacterium acnes)が増殖し、炎症を引き起こします。
  4. その他の要因: 遺伝、ストレス、食事、不適切なスキンケアなども関与します。

症状

  1. コメド: 白ニキビ(閉鎖性コメド)や黒ニキビ(開放性コメド)として現れます。
  2. 丘疹(きゅうしん): 赤く腫れた小さな丘疹が見られます。
  3. 膿疱(のうほう): 丘疹が進行して膿がたまる膿疱になります。
  4. 結節(けっせつ): 深部に炎症が広がり、硬く痛みを伴う結節が形成されます。
  5. 嚢胞(のうほう): さらに進行すると、膿がたまった大きな嚢胞が形成されることがあります。

診断

  1. 視診: 皮膚の状態から尋常性ざ瘡と診断します。
  2. 問診: 症状の発生状況や既往歴、使用しているスキンケア製品などを確認します。

治療

  1. 外用薬:
  • ベンゾイル過酸化物: いわゆる『ベピオ』です。抗菌作用と角質剥離作用があります。
  • レチノイド:いわゆる『ディフェリン』です。 皮膚のターンオーバーを促進し、毛穴の詰まりを防ぎます。
  • 抗生物質: 炎症を引き起こすアクネ菌を抑えます。
  1. 内服薬:
  • 抗生物質: 重症例には内服の抗生物質が処方されます。
  1. その他の治療法:
  • レーザー治療: 炎症を抑えるために使用されます。(保険適応外)
  • 化学ピーリング: 角質を除去し、毛穴の詰まりを改善します。(保険適応外)
  • 光治療: 特定の光を照射してアクネ菌を殺菌します。(保険適応外)

予防

  1. 適切なスキンケア: 優しい洗顔と適切な保湿を心がけます。過度の洗顔や刺激の強い化粧品は避けます。
  2. 食事: バランスの取れた食事を心がけ、脂肪や糖分の多い食品を控えます。
  3. ストレス管理: ストレスを軽減するためのリラクゼーション法を取り入れます。
  4. 生活習慣: 規則正しい生活と十分な睡眠を確保します。

尋常性ざ瘡は多くの人が経験する一般的な皮膚疾患ですが、適切なケアと治療を行うことで症状を軽減し、健康な肌を維持することができます。初期の段階で医療機関を受診し、専門的なアドバイスを受けることが重要です。

白癬(水虫・たむし)

白癬(はくせん)は、皮膚、毛髪、爪に感染する真菌(カビ)による感染症の総称です。一般的には「水虫」や「たむし」として知られています。以下に、白癬の種類、原因、症状、診断、治療、予防について説明します。

種類

  1. 足白癬(あしはくせん): 一般に「水虫」として知られ、足の指の間や足の裏に発生します。
  2. 体部白癬(たいぶはくせん): 一般に「たむし」として知られ、体のどの部分にも発生します。
  3. 股部白癬(こぶはくせん): 股間や内股に発生する白癬です。
  4. 頭部白癬(とうぶはくせん): 頭皮に発生し、髪の毛が抜けることがあります。
  5. 爪白癬(つめはくせん): 爪に感染し、爪が厚くなったり変色したりします。こちら

原因

  1. 真菌(カビ): 主に皮膚糸状菌(Dermatophytes)が原因で、これにはTrichophyton、Microsporum、Epidermophytonなどが含まれます。
  2. 感染経路: 感染者との直接接触や、感染者が使用したタオル、靴、床などを介して感染します。

症状

  1. かゆみ: 感染部位に強いかゆみを伴います。
  2. 発疹: 赤い円形の発疹ができることがあります。これが中心から拡大し、周囲が隆起します。
  3. 水疱: 小さな水疱ができることがあります。
  4. 鱗屑(りんせつ): 皮膚が乾燥し、鱗のように剥がれ落ちることがあります。

診断

  1. 視診: 医師が皮膚の状態を観察し、症状を確認します。
  2. 顕微鏡検査: 皮膚の一部を採取し、顕微鏡で真菌の存在を確認します。
  3. 抗原検査:  白癬菌抗原検査キットによる抗原検査

治療

  1. 外用薬: 抗真菌クリームやローションを患部に塗布します。
  2. 内服薬: 抗真菌薬を内服することもあります。
  3. 爪白癬の治療: 爪専用の外用薬があります。内服薬を使用することもあります。

予防

  1. 足の清潔と乾燥: 足を清潔に保ち、乾燥させることが重要です。特にシャワーやプールの後はよく乾かします。
  2. 通気性の良い靴と靴下: 通気性の良い靴や吸湿性の高い靴下を使用します。
  3. 共有物の使用を避ける: タオルや衣類、靴などは個別に使用し、共用を避けます。
  4. 公共の場での注意: 公共のシャワーや更衣室ではスリッパを使用し、直接接触を避けます。
  5. 爪のケア: 爪を短く切り、清潔に保ちます。

白癬は適切な治療を行うことで、症状を軽減し、再発を防ぐことができます。また、予防もとても大切です。

白斑

白斑はその原因や特徴に基づいていくつかの主要なタイプに分類されます。以下に、代表的な白斑の種類を詳しく説明します。

1. 尋常性白斑(Vitiligo)

  • 概要:自己免疫疾患で、メラニン色素を作るメラノサイトが破壊されることで発生します。
    1)非分節型
    ①神経支配領域と関係なく生じる指趾顔面型
    ②病変部以上の粘膜型
    ③汎発型
    ④全身型
    ⑤混合型
    2)分節型
    神経支配領域に一致して片側性に生じる。分節が複数になることもある。
    3)未分類
    限局性に1カ所にのみ生じる。限局型と1病変のみの粘膜型
  • 特徴:不規則な形の白い斑点が身体のさまざまな部位に現れます。顔、手、足、腕などがよく影響を受けます。
  • 原因:正確な原因は不明ですが、自己免疫反応、遺伝、ストレス、環境要因などが関与していると考えられています。
  • 治療:ステロイド外用剤、免疫抑制剤、紫外線治療など。

2. 白色癜風(Pityriasis Alba)

  • 概要:主に子供や若者に見られる皮膚の状態で、淡い白い斑点が現れます。
  • 特徴:顔や腕に淡い白い斑点が現れ、特に日焼けすると目立ちます。斑点は鱗状(薄く剥がれやすい)であることが多いです。
  • 原因:軽度の乾燥や炎症が原因とされています。アトピー性皮膚炎や乾燥肌と関連しています。
  • 治療:保湿剤の使用、軽度のステロイド外用剤、日焼け止めの使用など。多くの場合、自然に治癒します。

3. 白斑症(Leukoderma)

  • 概要:外傷、化学物質、感染症などによりメラノサイトが破壊され、局所的に白斑が現れます。
  • 特徴:原因によって異なるが、斑点の形状や分布は多様です。
  • 原因:化学物質への暴露、外傷、熱傷、感染症など。
  • 治療:原因に応じた治療法が取られます。場合によっては、尋常性白斑と同様の治療が適用されます。

4. アルビニズム(Albinism)

  • 概要:遺伝的な疾患で、全身の皮膚、髪、目の色素が非常に少ない状態です。
  • 特徴:皮膚、髪、眼の色素が欠乏しており、日光に対して非常に敏感です。視力障害を伴うことが多いです。
  • 原因:メラニン生成に関与する遺伝子の変異。
  • 治療:治療法はありませんが、日焼け止めの使用、保護具の使用、視力矯正などのサポートが行われます。

5. 年齢斑(Age Spots)

  • 概要:加齢や日光曝露によって皮膚に現れる斑点。
  • 特徴:主に高齢者の皮膚に現れる白や茶色の斑点で、日光に当たる部分に多く見られます。
  • 原因:紫外線曝露、加齢。
  • 治療:レーザー治療、ステロイド外用剤、化粧品などによる対処が行われることがありますが、治療は必須ではありません。

まとめ

白斑の種類は多様で、その原因や治療法も異なります。当院では多種の紫外線療法機器を取り揃えています。

皮膚リンパ腫

皮膚リンパ腫は、リンパ系の細胞(リンパ球)が皮膚に異常に増殖することによって発生する悪性腫瘍の一種です。リンパ球は、体の免疫システムの一部として感染や病気と戦う白血球の一種です。皮膚リンパ腫は、皮膚に限局して発生するため、通常のリンパ腫(例えば、ホジキンリンパ腫や非ホジキンリンパ腫)とは異なります。

皮膚リンパ腫は以下のように分類されます:

1. T細胞性皮膚リンパ腫

  • 概要:最も一般的な皮膚リンパ腫で、T細胞という種類のリンパ球が異常に増殖します。
  • 主なタイプ
  • 菌状息肉症(Mycosis Fungoides)
    • 最も一般的なT細胞性皮膚リンパ腫。
    • 赤い斑点や斑状の皮膚病変として始まり、進行すると腫瘤や潰瘍が形成されることがあります。
  • セザリー症候群(Sézary Syndrome)
    • 菌状息肉症の進行型。
    • 全身に広がる紅斑と共に、血液中に異常なT細胞が存在します。

2. B細胞性皮膚リンパ腫

  • 概要:B細胞という種類のリンパ球が異常に増殖します。
  • 主なタイプ
  • 濾胞性リンパ腫(Follicle Center Lymphoma)
    • 一般的に良性で、ゆっくり進行する。
    • 小さな結節や斑点が皮膚に現れます。
  • 辺縁帯リンパ腫(Marginal Zone Lymphoma)
    • ゆっくり進行し、良好な予後を持つことが多い。
    • 結節や斑点として皮膚に現れます。

症状

  • 初期症状:赤い斑点、斑状の皮膚病変、かゆみ、乾燥した皮膚。
  • 進行症状:腫瘤、潰瘍、皮膚の厚みの変化、全身症状(疲労、体重減少、発熱)。

診断

  • 皮膚生検:異常なリンパ球の確認。
  • 血液検査:血液中の異常細胞の確認。
  • 画像診断:リンパ節や内臓の評価。

治療

  • 局所療法:ステロイド外用剤、紫外線療法。
  • 全身療法:化学療法、免疫療法、放射線療法、分子標的療法。(当院では行っていません)
  • その他:ステムセル移植、モノクローナル抗体治療。(当院では行っていません)

予後

  • 予後は、リンパ腫のタイプ、進行度、患者の全体的な健康状態に依存します。早期に診断され、適切に治療されると、良好な予後が期待されますが、進行した場合や治療に反応しない場合は、予後が悪化することがあります。

皮膚リンパ腫の治療と管理は専門医の監督の下で行われることが重要です。正確な診断と適切な治療計画が、患者の生活の質を維持し、病気の進行を抑えるのに役立ちます。

日光皮膚炎(ひやけ)

日光皮膚炎(にっこうひふえん)、または光線過敏症は、紫外線(UV)への過剰な反応によって引き起こされる皮膚の炎症です。これは日光にさらされた後に皮膚に現れる炎症反応で、以下のような特徴と原因、治療法があります。

特徴

症状:紫外線による皮膚のヤケドです

  • 発赤(皮膚の赤み)
  • かゆみ
  • 乾燥
  • 水ぶくれ
  • 皮膚の腫れ
  • 皮膚の焼けるような痛み
  • 1週間ほどで、濃い茶色になった皮膚が薄い膜状になって剥がれ落ちる
  • メラニンが増加し、皮膚の色が黒くなる

発症部位: 日光にさらされやすい部位、特に顔、首、腕、手など。

原因

内因性要因

  • 遺伝的要素:一部の人々は遺伝的に日光に対して敏感である場合があります。
  • 基礎疾患:ループス(全身性エリテマトーデス)などの光線過敏症を引き起こす疾患

外因性要因

  • 薬物:特定の抗生物質(テトラサイクリンなど)、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、利尿薬、抗真菌薬などは、光線過敏を引き起こす可能性があります。
  • 化学物質:香料や化粧品の成分が光線過敏症を引き起こすことがあります。

診断

  • 病歴と症状:日光曝露後の症状発生に基づく。
  • 皮膚生検:必要に応じて行われることがあります。
  • 光線検査:皮膚の光に対する反応を確認するためのテスト。
  • 血液検査:光線過敏症を引き起こす可能性のある基礎疾患の有無を確認。

治療

  • 日光回避:最も重要な対策。日光にさらされる時間を減らし、特に強い日差しの時間帯を避ける。
  • 日焼け止め:広域スペクトルのSPF30以上の日焼け止めを使用すること。
  • 保護具:帽子、長袖、サングラスなどを使用して皮膚を保護。
  • 局所治療:かゆみや炎症を抑えるために、ステロイド外用剤や抗ヒスタミン薬を使用。
  • 全身治療:重症の場合、内服のステロイドや免疫抑制剤を使用する場合がある。

予防

  • 日光回避策:可能な限り日光曝露を避ける。
  • 適切な衣類の選択:紫外線をカットする衣類を着用。
  • 定期的な皮膚検査:特に光線過敏症を引き起こす基礎疾患がある場合、定期的な皮膚科医の診察を受けることが推奨されます。

まとめ

日光皮膚炎は日光に対する過敏反応によって引き起こされる皮膚の炎症です。日光回避、適切な日焼け止めの使用、保護具の着用が予防に重要であり、症状が現れた場合には早い目に受診されることをおすすめします。

類天疱瘡(水疱症)

類天疱瘡(るいてんぽうそう、Bullous Pemphigoid)は、自己免疫疾患の一つで、皮膚や粘膜に大きな水疱(ブリスター)が形成されることが特徴です。主に高齢者に発症しやすいですが、若年者にも見られることがあります。以下に、類天疱瘡について詳しく説明します。

特徴

  • 水疱とびらん:皮膚に緊張性の大きな水疱が形成され、しばしばかゆみを伴います。水疱は破れるとびらん(ただれ)となり、痛みを引き起こすことがあります。
  • 分布:水疱は体幹部や四肢の屈曲部(肘、膝など)によく現れますが、全身に広がることもあります。

原因

類天疱瘡は自己免疫反応によって引き起こされます。免疫システムが誤って自身の皮膚や粘膜の構造を攻撃し、具体的には皮膚の基底膜(表皮と真皮の間の構造)に存在する接着因子であるヘミデスモソームの構成タンパクであるBP230とBP180に対する抗体が生成されます。この抗体が基底膜を攻撃することで、水疱が形成されます。

症状

  • 水疱:全身のあちこちに緊張性の大きな水疱が形成される。
  • かゆみ:水疱や周囲の皮膚に強いかゆみが伴うことが多い。
  • びらん:水疱が破れると、びらんや潰瘍が残る。

診断

  • 臨床診断:症状の観察による診断。
  • 皮膚生検:水疱の周囲の皮膚を採取し、顕微鏡で観察。
  • 血液検査:自己抗体の存在を確認するため

治療

治療の目標は、症状を抑え、患者の生活の質を向上させることです。

  • ステロイド:経口ステロイド(プレドニゾロンなど)が最も一般的に使用され、症状の炎症を抑えます。局所ステロイドも使用されることがあります。
  • 免疫抑制剤:シクロスポリンなど、ステロイドの効果を補助するために使用されます。
  • 抗生物質:ミノサイクリンなどが使用されることがあります。これらは抗炎症作用も持っています。
  • その他の治療:免疫グロブリン療法や生物学的製剤(リツキシマブなど)が使用されることもあります。(当院では行っていません)

予後

類天疱瘡は治療に反応しやすいことが多いですが、長期的な管理が必要です。治療によって多くの患者が寛解(症状のない状態)に達しますが、再発することもあります。治療中は定期的な医療監視が重要で、副作用の管理も含めた総合的なケアが必要です。

まとめ

類天疱瘡は、自己免疫反応によって引き起こされる水疱性疾患であり、適切な診断と治療が重要です。特に高齢者に多く見られるため、早期発見と治療が患者の生活の質を維持するために不可欠です。

単純ヘルペス

単純ヘルペス(Herpes Simplex)は、単純ヘルペスウイルス(Herpes Simplex Virus, HSV)によって引き起こされる感染症です。HSVにはHSV-1とHSV-2の2種類があり、それぞれ異なる部位に感染する傾向があります。

単純ヘルペスウイルス(HSV)の種類

  1. HSV-1(単純ヘルペスウイルス1型)
  • 主な感染部位:主に口唇や顔面(口唇ヘルペス)に感染しますが、性器にも感染することがあります。
  • 症状:唇や口の周りに小さな水疱が現れ、破れると痛みを伴う潰瘍となります。発熱やリンパ節の腫れを伴うこともあります。
  1. HSV-2(単純ヘルペスウイルス2型)
  • 主な感染部位:主に性器(性器ヘルペス)に感染しますが、口唇にも感染することがあります。
  • 症状:性器や肛門周囲に小さな水疱が現れ、破れると痛みを伴う潰瘍となります。発熱、筋肉痛、リンパ節の腫れを伴うこともあります。

感染経路

  • 接触感染:皮膚や粘膜の接触により感染します。HSV-1は主に唾液や口唇との接触、HSV-2は性行為による接触で感染します。
  • 母子感染:出産時に母親から新生児に感染することがあります(新生児ヘルペス)。

症状

  • 初感染:初めてウイルスに感染した際に現れる症状。ウイルスに対して免疫を持っていないために発熱、全身の倦怠感、水疱、潰瘍が現れることがあります。HSV-1の場合、口内炎や喉の痛みを伴うことがあります。
  • 再発:ウイルスが神経節に潜伏した後、再活性化して再発することがあります。再発時の症状は初感染よりも軽度で、局所的な水疱や潰瘍が主な症状です。

部位

  • 口唇ヘルペス
  • 性器ヘルペス
  • 顔面ヘルペス
  • カポジ水痘用様発疹症(顔)(経皮感染)
  • ヘルペス性ひょう疸(手指に感染したもの)

診断

  • 臨床診断:症状・所見より診断。
  • 抗原検査:単純ヘルペスウイルスキットによる抗原定性検査
  • 血清学的検査:ウイルスに対する抗体の存在を確認。

治療

  • 抗ウイルス薬:アシクロビル(Acyclovir)、バラシクロビル(Valacyclovir)、ファムシクロビル(Famciclovir)などが使用されます。これらの薬剤はウイルスの増殖を抑える効果がありますが、完全に排除することはできません。
  • 局所治療:症状を和らげるための局所的な薬剤やクリームが使用されることがあります。
  • 予防:再発を予防するために抗ウイルス薬を長期的に服用することもあります。

予防

  • 接触回避:症状が現れている間は接触を避けることが重要です。
  • 安全な性行為:コンドームの使用など、性行為における感染予防策を講じること。
  • 個人衛生:感染部位に触れた後は手を洗うこと。

まとめ

単純ヘルペスは、HSV-1およびHSV-2によって引き起こされる感染症であり、主に口唇や性器に水疱や潰瘍を形成します。適切な診断と抗ウイルス薬による治療が重要であり、再発を防ぐための予防策も大切です。感染のリスクを減らすために、衛生管理と安全な接触行動が推奨されます。

帯状疱疹

帯状疱疹(たいじょうほうしん、Herpes Zoster)は、水痘・帯状疱疹ウイルス(Varicella Zoster Virus, VZV)によって引き起こされるウイルス感染症です。このウイルスは水痘(水ぼうそう)の原因となるウイルスと同じで、初感染後に神経節に潜伏し、再活性化することで帯状疱疹を発症します。

特徴

  • 症状
  • 初期症状として、特定の神経の支配領域に沿って、神経痛様疼痛、知覚異常、かゆみ、灼熱感、しびれなどの前駆症状が現れます。この時期に軽度の発熱やリンパ節腫脹、頭痛などが生じることもあります。
  • その後、数日以内に痛みを伴う小さな水疱が現れます。これらは通常、体の一側面に帯状に分布し、特に胸部、腹部、顔面、首などに見られます。
  • 水疱は数日から1週間ほどで破れ、かさぶたが形成されます。
  • 経過
  • 症状は通常、2〜4週間続きます。痛みは水疱が治癒した後も続くことがあり、これを帯状疱疹後神経痛(Postherpetic Neuralgia, PHN)と呼びます。

原因

  • ウイルスの再活性化:水痘に感染した後、VZVは神経節に潜伏します。免疫力が低下した時やストレス、病気などによりウイルスが再活性化し、神経を経由して皮膚に症状を引き起こします。

診断

  • 臨床診断:特徴的な症状と水疱の分布に基づいて診断されます。
  • 検査:必要に応じて、抗原検査、抗体検査が行われることがあります。

治療

  • 抗ウイルス薬:アシクロビル(Acyclovir)、バラシクロビル(Valacyclovir)、ファムシクロビル(Famciclovir)などが処方されます。これらの薬は、症状の重症度を軽減し、治癒を促進します。
  • 鎮痛薬:痛みを和らげるために、鎮痛薬や神経痛治療薬が使用されます。
  • ステロイド:一部の患者には、炎症を抑えるためにステロイドが処方されることがあります。

予防

  • ワクチン:帯状疱疹予防のために、50歳以上の成人には帯状疱疹ワクチン(シングリックス、ビケンなど)の接種が推奨されます。ワクチンは、帯状疱疹の発症リスクを減らし、重症化を防ぎます。

合併症

  • 帯状疱疹後神経痛(PHN):痛みが長期間続くことがあり、高齢者に多く見られます。
  • 視覚障害:顔面に帯状疱疹が発生し、目に影響を与えた場合、視覚障害を引き起こすことがあります。
  • その他の合併症:皮膚感染症、神経障害、脳炎、脊髄炎などが稀に発生することがあります。

まとめ

帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化によって引き起こされる痛みを伴う感染症です。早期の抗ウイルス治療と適切な鎮痛管理が重要であり、予防にはワクチン接種が効果的です。合併症の予防と症状の軽減のために、早い目に受診されることをおすすめします。

昆虫刺症(虫さされ)

昆虫刺症(こんちゅうししょう)は、昆虫による刺咬(しこう)や咬傷(こうしょう)によって引き起こされる皮膚の反応や全身症状を指します。これには、ハチ、蚊、ノミ、ダニ、アブ、ムカデなどの昆虫によるものが含まれます。以下に、一般的な昆虫刺症の特徴、原因、症状、診断、治療、予防について詳しく説明します。

特徴

  • 刺咬(しこう):昆虫が刺すことにより、毒や唾液を皮膚に注入します。
  • 咬傷(こうしょう):昆虫が噛むことによって、唾液や病原体が皮膚に侵入します。

原因

  • ハチ:スズメバチ、ミツバチ、アシナガバチなどが含まれ、刺されると毒が注入されます。(刺す虫)
  • 蚊:刺されると唾液が注入され、かゆみや炎症が生じます。特定の蚊は、マラリアやデング熱などの病原体を媒介することがあります。(吸血する虫)
  • ノミ:ペットや野生動物から人に移り、吸血することでかゆみや皮膚炎を引き起こします。(吸血する虫)
  • ダニ:森林や草むらで刺されることが多く、ライム病などの病原体を媒介することがあります。(吸血する虫)
  • アブ:噛まれると痛みと腫れが生じます。(吸血する虫)
  • ムカデ:咬まれると強い痛みと腫れが生じます。(咬む虫)
  • ブユ:(吸血する虫)
  • トコジラミ:(吸血する虫)
  • クモ:(咬む虫)
  • ケムシ:(触れることで皮膚炎をおこす虫)

症状

  • 局所反応:刺された部位に発赤、腫れ、痛み、かゆみが生じます。これらの症状は数時間から数日間続くことがあります。
  • 全身反応:重症の場合、特にアレルギー反応(アナフィラキシー)が起こることがあります。これには、呼吸困難、血圧低下、意識喪失などが含まれ、緊急の医療処置が必要です。
  • 感染症:特定の昆虫刺咬によって病原体が体内に侵入し、感染症を引き起こすことがあります。例として、ライム病、デング熱、マラリアなどがあります。

診断

  • 臨床診断:刺された部位の所見と、症状や状況をもとに診断します。
  • 血液検査:アレルギー反応や感染症を確認するために行われることがあります。
  • 生体検査:刺された部位から病原体を検出するために行われることがあります。

治療

  • 局所治療:冷湿布や抗ヒスタミン薬(かゆみを抑える)を使用します。刺された部位を清潔に保ち、感染を防ぐことが重要です。
  • 痛みと炎症の管理:鎮痛薬(イブプロフェンやアセトアミノフェン)やステロイド外用剤を使用することがあります。
  • アレルギー反応の治療:軽度の反応には抗ヒスタミン薬を使用し、重度のアナフィラキシー反応にはエピネフリン注射が必要です。
  • 感染症の治療:感染症が疑われる場合、適切な抗生物質や抗ウイルス薬が処方されます。

予防

  • 昆虫回避:昆虫が多い地域では長袖、長ズボン、帽子などを着用し、肌の露出を最小限にする。
  • 虫除け剤の使用:虫除け剤を使用する。
  • 周囲の管理:昆虫の発生を抑えるために、住環境や周囲を清潔に保ち、水たまりを除去する。
  • アレルギー予防:過去に重度のアレルギー反応を起こしたことがある場合、エピネフリン自己注射器を常備し、医師の指示に従って使用する。

まとめ

昆虫刺症は、さまざまな昆虫による刺咬や咬傷によって引き起こされる皮膚の反応や全身症状を伴います。適切な治療と予防策を講じることで、症状の管理や重篤な合併症の予防が可能です。症状が重い場合や全身反応が見られる場合は、速やかに医療機関を受診することが重要です。特に、呼吸困難、腹痛、意識消失、血圧低下がある場合はアナフィラキシーショックの可能性がありますので、すぐに救急病院を受診してください。

マダニ咬症

マダニ咬症(まだにこうしょう)とは、マダニ(ダニの一種)に咬まれることによって発生する病気や症状の総称です。以下に、マダニ咬症について詳しく説明します。

マダニとは

マダニは、草むらや森林、ペットの毛皮などに生息する小さな節足動物です。血を吸うために動物や人間に寄生し、病原体を媒介することがあります。

マダニ咬症の症状

マダニに咬まれることで、次のような症状が現れることがあります:

  1. 咬まれた部位の炎症:赤く腫れ、かゆみや痛みを伴うことがあります。
  2. 発熱や倦怠感:一部の人は発熱や倦怠感を感じることがあります。
  3. 発疹:咬まれた部位や全身に発疹が現れることがあります。

マダニが媒介する病気

マダニはさまざまな病原体を媒介することがあります。主なものは以下の通りです:

  1. ライム病:ボレリア菌によって引き起こされる感染症で、早期の症状として発熱、頭痛、筋肉痛、特徴的な円形の発疹が現れます。
  2. 日本紅斑熱:リケッチア菌による感染症で、発熱、発疹、倦怠感が主な症状です。
  3. ダニ媒介性脳炎:ウイルスによって引き起こされる脳炎で、重症化すると神経症状が現れることがあります。

予防方法

  1. マダニが多い地域を避ける:草むらや森林など、マダニが多く生息する場所を避けることが有効です。
  2. 適切な服装:長袖・長ズボンを着用し、ズボンの裾を靴下に入れるなど、肌の露出を減らすことが重要です。
  3. 虫除けスプレー:ディート(DEET)などの虫除けスプレーを使用することで、マダニの寄生を防ぐことができます。
  4. 帰宅後のチェック:外出後は身体や服にマダニが付着していないか確認し、すぐに取り除くことが大切です。

マダニに咬まれた場合の対処法

  1. 早期除去:できるだけ早くマダニを取り除くことが重要です。専用のピンセットを使い、マダニの頭部が残らないように注意して取り除きます。
  2. 医療機関を受診:症状が現れたり、マダニが完全に取り除けない場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

マダニ咬症は適切な予防と迅速な対処で防ぐことができます。特にアウトドア活動をする際は、十分な注意が必要です。

毛じらみ症

毛じらみ症(もうじらみしょう)、または「陰部のシラミ感染(pubic lice)」は、主に陰部の毛に寄生する小さな昆虫による感染症です。これらの昆虫は「毛じらみ(pediculosis pubis)」と呼ばれ、見た目には灰色がかった白色の小さな生物です。以下に毛じらみ症の特徴や症状、治療法について説明します。

主な症状

  1. かゆみ: 毛じらみ症の最も一般的な症状は、強いかゆみです。これは、毛じらみが皮膚に噛みついて血液を吸うことによって引き起こされます。
  2. 赤い斑点や発疹: かゆみがある部位には、小さな赤い斑点や発疹が見られることがあります。
  3. 炎症や感染: 強いかゆみや掻くことによって皮膚が炎症を起こし、二次的な細菌感染を引き起こすこともあります。

感染経路

毛じらみは主に以下の方法で感染します:

  • 性的接触: 性交渉を通じて感染することが最も一般的です。
  • 衣類や寝具の共有: 毛じらみが付着した衣類や寝具、タオルを共有することで感染する可能性もあります。
  • 接触: 家族や密接な接触を持つ人々との接触を通じても感染することがあります。

診断

毛じらみ症の診断は、主に以下の方法で行われます:

  • 視診: 医師が患部の毛をチェックして、毛じらみやその卵(ニット)を確認します。
  • 顕微鏡検査: 皮膚から取ったサンプルを顕微鏡で検査することがあります。

治療

毛じらみ症の治療には以下の方法があります:

  • 処方薬: 毛じらみ専用のシャンプー(保険適応外)を使用します。
  • 家族やパートナーの治療: 感染を防ぐために、パートナーや家庭内の他の人も一緒に治療を受けることが推奨されます。
  • 衣類や寝具の洗濯: 感染した衣類や寝具は高温で洗濯し、十分に乾燥させることが重要です。必要に応じて、衣類は高温で乾燥させたり、数日間放置することも有効です。

皮膚悪性腫瘍

皮膚悪性腫瘍(ひふあくせいしゅよう)は、皮膚に発生する悪性(がん)腫瘍で、周囲の組織に侵入して広がり、転移を引き起こす可能性がある腫瘍の総称です。皮膚悪性腫瘍は早期発見と適切な治療が重要で、治療が遅れると命に関わることもあります。

皮膚悪性腫瘍の主な種類

皮膚悪性腫瘍にはいくつかのタイプがあり、それぞれ発生部位や性質が異なります。

  1. 基底細胞癌(きていさいぼうがん)
    • 皮膚悪性腫瘍の中で最も多く見られますが、転移することはまれです。
    • 主に顔や首など、紫外線にさらされやすい部位に発生します。
    • ゆっくりと成長し、見た目はしこりや潰瘍、赤みを帯びた部分などが特徴です。
  2. 有棘細胞癌(ゆうきょくさいぼうがん)
    • 転移のリスクが高いがんで、紫外線を多く浴びた部位や、やけど・傷跡が長期間残っている部分に発生しやすいです。
    • 硬いしこりができたり、表面がただれたりすることがあり、顔、手、腕などによく見られます。
  3. 悪性黒色腫(あくせいこくしょくしゅ)
    • 「メラノーマ」とも呼ばれ、メラノサイト(色素細胞)から発生する悪性度の高い皮膚がんです。
    • 転移しやすく、早期発見と早期治療が極めて重要です。
    • 症状としては、急に変色したほくろや、周囲に不規則な形で広がる黒い斑点が見られます。
  4. 血管肉腫(けっかんにくしゅ)
    • 比較的まれな腫瘍ですが、進行が速く、転移の可能性が高い悪性腫瘍です。
    • 主に高齢者に発症し、皮膚の表面が赤や紫に変色したり、出血しやすいのが特徴です。

皮膚悪性腫瘍の原因

皮膚悪性腫瘍の原因は主に次の要因が関係していると考えられます:

  • 紫外線(UV):日光に含まれる紫外線は、皮膚細胞に損傷を与え、がん化を引き起こしやすくします。
  • 遺伝的要因:皮膚がんにかかりやすい体質や遺伝子が関与している場合があります。
  • 免疫力の低下:免疫不全状態や免疫抑制剤の使用がリスクを高めることがあります。

予防と早期発見のための対策

  • 紫外線対策:日焼け止めクリームの使用、帽子やサングラス、日傘などの利用が有効です。
  • 皮膚の自己チェック:ほくろや皮膚の変化を定期的に確認し、異常があれば早めに医師に相談します。
  • 健康診断:定期的な皮膚がんのスクリーニングが推奨されます。

治療

皮膚悪性腫瘍の治療は、腫瘍の種類や進行度に応じて異なります。一般的には以下の治療法が行われます:

  • 外科的切除:悪性腫瘍の周囲を含めて切除する方法が一般的です。
  • 放射線療法:切除が難しい場合や転移がある場合に使用されることがあります。
  • 免疫療法や化学療法:悪性黒色腫や進行が速いタイプの腫瘍に対して行われます。

皮膚悪性腫瘍は進行すると他の臓器へ転移する可能性があるため、早期発見と早期治療が重要です。

薬疹

薬疹(やくしん)は、薬剤(内服薬や外用薬など)によって引き起こされる皮膚の発疹(発赤、かゆみ、腫れなど)のことを指します。薬剤が体内に入ったり皮膚に触れたりすることで、免疫系が過剰に反応し、皮膚に異常が生じる場合に発生します。薬疹は、軽度なものから重篤なものまでさまざまな症状を引き起こす可能性があります。

薬疹の主な特徴

薬疹は服薬後数日から数週間で現れることが多く、症状の出方や発生の速さは個人差があります。主な特徴は次の通りです:

  • 発疹:皮膚に赤い斑点や丘疹(小さな隆起した発疹)ができることが一般的です。
  • かゆみ:発疹に伴って強いかゆみが生じることが多いです。
  • 腫れや痛み:場合によっては皮膚が腫れたり、痛みを感じることもあります。

薬疹の種類

薬疹にはいくつかのタイプがあり、症状や重症度が異なります。

  1. 固定薬疹:特定の薬を使用するたびに同じ場所に発疹が出る。
  2. 全身性薬疹:体全体に広がる発疹が特徴で、熱や倦怠感を伴うこともある。
  3. スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)や中毒性表皮壊死症(TEN):重篤な薬疹で、皮膚がただれたり剥がれたりする危険な状態になる。即時の医療介入が必要です。

原因

薬疹の原因となる薬剤は多岐にわたり、抗生物質、鎮痛剤、抗てんかん薬、解熱鎮痛剤などがよく見られます。特に特定の成分や薬剤が薬疹を引き起こすことがあるため、過去に薬疹が出たことがある場合は医師や薬剤師に伝えることが重要です。

治療と対策

  • 薬剤の中止:発疹の原因となっている薬を中止するのが第一の対策です。
  • 抗ヒスタミン剤やステロイド剤:かゆみや炎症を和らげるために使用されることがあります。
  • 重症例の入院管理:重篤な場合には入院し、集中管理が行われることもあります。

薬疹の発症歴がある場合、次回以降の治療で注意が必要です。

熱傷(やけど)

熱傷(ねっしょう)は、皮膚やその下の組織が高温、化学薬品、電気、放射線などによって損傷を受けることを指します。一般的に「やけど」とも呼ばれ、熱湯や火炎、油、化学物質などに触れたり、紫外線や電気にさらされたりすることで発生します。

熱傷の分類

熱傷は、その深さや損傷の範囲に応じて以下のように分類されます:

  1. I度熱傷(表皮熱傷)
    • 皮膚の表面(表皮)のみが損傷している軽度の熱傷です。
    • 赤みや軽い痛みが生じますが、水疱(みずぶくれ)はできません。
    • 数日で治癒し、瘢痕(はんこん)が残ることはほとんどありません。
  2. II度熱傷(真皮熱傷)
    • 表皮の下にある真皮層にまで損傷が及んでいます。
    • 浅達性II度熱傷と深達性II度熱傷に分けられます。
    • 症状として、水疱ができ、強い痛みがあります。浅達性のものは数週間で治癒し、瘢痕はほとんど残りませんが、深達性の場合は治癒に時間がかかり、瘢痕が残る可能性があります。
  3. III度熱傷(全層熱傷)
    • 皮膚の全層に損傷が及び、筋肉や骨にまで達することもあります。
    • 痛みを感じにくい場合もあり、皮膚が白や黒っぽく変色し、乾いた硬い質感になります。
    • 自然治癒は難しく、植皮手術などが必要になることが多いです。

熱傷の原因

熱傷の原因には以下のようなものがあります:

  • 高温:火炎、熱湯、熱い油、熱い金属など
  • 化学薬品:酸やアルカリなどの腐食性の強い薬品
  • 電気:感電などによる電気的な損傷
  • 放射線:強い紫外線(例:日焼け)や放射線治療による損傷

治療

熱傷の治療は、傷の深さや範囲に応じて異なります。

  • I度熱傷:冷却、保湿、鎮痛剤の使用などで症状を和らげます。
  • II度熱傷:清潔に保ち、感染予防のための薬剤や湿潤療法を行います。深達性の場合、皮膚科の受診が必要です。
  • III度熱傷:外科的治療(植皮手術など)が必要で、入院が必要なこともあります。

応急処置

熱傷が発生した場合は、まず冷却が大切です。患部を清潔な流水で15~30分ほど冷やし、損傷の進行を防ぎます。ただし、広範囲や深い熱傷の場合、体温低下の危険があるため、適切な医療機関への受診が推奨されます。

熱傷の合併症

広範囲や深い熱傷は、感染症やショック、脱水症、瘢痕形成、機能障害などの合併症を引き起こすことがあります。

痒疹

痒疹(ようしん)は、皮膚に強いかゆみを伴う小さな丘疹(こぶ状の発疹)や結節(硬いしこり)が多数できる皮膚疾患です。かゆみによって皮膚を掻き続けると症状が悪化し、さらにかゆみが増すという悪循環が生じることが多いです。痒疹は急性または慢性のかゆみを伴うことがあり、さまざまな年齢層に見られます。

痒疹の原因

痒疹の原因は完全には解明されていませんが、以下の要因が関与していると考えられています:

  • アレルギー反応:特定の物質(化学物質、金属、食品、薬など)に対するアレルギー反応が原因となることがあります。
  • 免疫異常:免疫系の異常反応がかゆみと発疹を引き起こす可能性があります。
  • 虫刺されや寄生虫感染:蚊、ダニ、ノミなどの刺咬がトリガーとなり、慢性のかゆみと痒疹を引き起こすことがあります。
  • 内臓疾患:特定の内臓疾患(肝臓病、腎臓病、甲状腺疾患など)が背景にある場合もあります。

痒疹の主な症状

  • かゆみ:非常に強いかゆみが生じ、かきむしることでさらに症状が悪化します。
  • 小さな丘疹や結節:皮膚に小さな硬い発疹やしこりができます。通常、四肢(腕や脚)に多く見られますが、体の他の部分にも発生することがあります。
  • 色素沈着や皮膚の硬化:かきむしることで皮膚が黒ずんだり、硬くなることがあります。

痒疹の種類

痒疹にはいくつかの異なるタイプがあり、それぞれ特徴が異なります。

  1. 結節性痒疹:硬くてかゆみの強い結節ができるタイプで、四肢に多く見られます。
  2. 湿疹型痒疹:小さな湿疹のような発疹ができ、かゆみが持続します。
  3. 妊娠性痒疹:妊娠中に発生する痒疹で、特に妊娠後期に多く見られます。

治療法

痒疹の治療には、かゆみや炎症を抑えることが重要です。主な治療法としては以下のものがあります:

  • 抗ヒスタミン剤:かゆみを抑えるために使用されます。
  • ステロイド外用薬:炎症と免疫反応を抑制し、かゆみや発疹を和らげます。
  • 免疫抑制剤:重症の場合には、免疫系の過剰反応を抑えるために使用されることがあります。
  • 保湿剤:皮膚の保湿を保ち、乾燥によるかゆみの悪化を防ぎます。

日常生活での対策

  • 刺激を避ける:強い石鹸やアルコールなど、皮膚を刺激するものの使用を控えます。
  • 爪を短く保つ:かきむしることで皮膚に傷をつけないよう、爪を短く保ちます。
  • 冷やす:かゆみが強い場合、冷たいタオルなどで冷やすことで一時的にかゆみを和らげることができます。

痒疹は慢性化しやすいため、早めに医師に相談し、適切な治療を行うことが重要です。また、原因や誘因を特定して取り除くことが、再発防止に役立ちます。

金属アレルギー

金属アレルギーは、特定の金属が皮膚や体内に接触すると免疫反応を引き起こし、アレルギー反応が生じる状態です。この反応は、金属が汗などの水分によりイオン化し、体内に取り込まれることで発生します。金属アレルギーは接触性皮膚炎の一種であり、アクセサリーや医療器具、歯科材料などの金属製品に触れることで発症することが多いです。

金属アレルギーの原因

金属アレルギーの原因となる金属はさまざまで、特に以下の金属がよくアレルギー反応を引き起こします:

  • ニッケル:アクセサリーやファスナー、コインなどに多く含まれ、アレルギーを引き起こしやすい金属です。
  • クロム:皮革製品の染色や工業製品に使われることがあり、アレルギーの原因になります。
  • コバルト:金属加工品や塗料に含まれることが多く、他の金属と組み合わせて使用されることもあります。
  • :特に18金以下の金製品はアレルギーの原因になりやすいことがあります。
  • パラジウム:歯科治療やジュエリーに使用されることが多く、アレルギー反応を引き起こすことがあります。

金属アレルギーの症状

金属アレルギーの症状は、金属が接触した部位に現れることが多く、次のような症状が見られます:

  • 発疹や赤み:金属に触れた部位が赤くなることが多いです。
  • かゆみ:かゆみが生じ、掻くことで症状が悪化することがあります。
  • 腫れや水疱:症状が進行すると、水疱や腫れが現れることがあります。
  • 全身症状:まれに金属が体内に取り込まれた場合(例:歯科用金属など)、全身の発疹や倦怠感などが現れることもあります。

金属アレルギーの診断

金属アレルギーは、皮膚科で「パッチテスト」という検査を行い、特定の金属に対するアレルギー反応の有無を確認します。このテストでは、疑わしい金属を含んだ試薬を皮膚に貼り付け、反応を観察します。

治療と対策

金属アレルギーの治療は、アレルギーの原因となる金属との接触を避けることが最も重要です。さらに、症状を抑えるための治療も行われます。

  • ステロイド外用薬:炎症やかゆみを抑えるために使用されます。
  • 抗ヒスタミン剤:かゆみを軽減するために使用されることがあります。
  • 金属の代替品:アレルギーの原因となる金属製品を避け、チタン、セラミック、プラスチックなどの代替素材を使用することが推奨されます。

日常生活での対策

  • アクセサリーの素材に注意:金属アレルギーがある場合、ニッケルフリーやアレルギー対応のアクセサリーを選ぶとよいでしょう。
  • 汗を拭く:汗で金属がイオン化しやすくなるため、金属に触れた部分が汗で湿っている場合はこまめに拭き取ります。
  • 歯科や医療器具の選択:歯科治療や手術で使用する金属は、アレルギーの有無を事前に伝え、アレルギー反応が少ない素材を選択してもらうことが重要です。

金属アレルギーは一度発症すると完治することは難しいため、原因となる金属の接触をできるだけ避け、適切な対策をとることが大切です。

酒さ

酒さ(しゅさ)は、顔面(特に鼻、頬、額、顎など)に慢性的な赤みや炎症が生じる皮膚疾患で、成人に多く見られます。「赤ら顔」や「ロザイシア」とも呼ばれることもあり、具体的には毛細血管の拡張、皮膚の腫れ、膿疱(ニキビのようなぶつぶつ)が特徴的です。酒さは進行すると症状が悪化することがあり、適切な治療やケアが重要です。

酒さの主な症状

  • 顔面の赤み(紅斑):初期症状として、顔の特定の部位が赤くなることが多いです。特に気温の変化やアルコール、辛い食べ物などで赤みが増すことがあります。
  • 毛細血管の拡張:皮膚の表面に赤い細い血管が浮き出るようになります。
  • 丘疹や膿疱:ニキビに似た小さなぶつぶつができることがあり、痛みやかゆみを伴うこともあります。
  • 皮膚の厚み:進行した場合、特に鼻の部分で皮膚が厚くなり、隆起することがあります(鼻瘤と呼ばれる症状)。

酒さの原因

酒さの原因は完全には解明されていませんが、次の要因が関係していると考えられています:

  • 遺伝的要因:家族に酒さを持つ人がいる場合、発症のリスクが高まることがあります。
  • 免疫反応の異常:皮膚の免疫機能の異常や、皮膚のバリア機能の低下が酒さを引き起こす可能性があります。
  • 皮膚のダニ(デモデックス):皮膚に常在するデモデックスというダニが関与していると考えられており、ダニの増殖が炎症の原因となる場合があります。
  • 環境要因:紫外線、極端な温度、アルコールや辛い食べ物、ストレスなどの要因も症状を悪化させる原因とされています。

酒さの治療

酒さの治療は、症状の程度やタイプに応じて異なります。治療には以下のような方法が用いられます:

  • 外用薬:メトロニダゾール(抗生物質)やイベルメクチンなどの外用薬が使用され、炎症を抑える効果があります。(当院では処方していません)
  • 内服薬:ドキシサイクリンなどの抗生物質が、炎症を軽減するために処方されることがあります。(当院では処方していません)
  • レーザー治療:拡張した毛細血管を収縮させるためのレーザー治療が行われることがあります。
  • 生活習慣の改善:アルコール、刺激の強い食べ物、紫外線などの刺激を避けることも効果的です。

日常生活でのケア

  • 刺激を避ける:紫外線や高温、寒冷な環境を避け、肌に刺激を与えないよう心がけます。
  • スキンケア:低刺激性のスキンケア製品を選び、肌のバリア機能を保つことが重要です。
  • 食生活の見直し:アルコールやカフェイン、辛い食べ物を控え、ビタミン豊富な食事を心がけると良いでしょう。

酒さは慢性的な疾患であり、日々のケアや生活習慣の見直しが重要です。医師と相談しながら、適切な治療と予防を行うことで症状の悪化を防ぎ、症状をコントロールすることができます。

赤ら顔

赤ら顔とは、顔が持続的に赤く見える状態を指します。顔の血管が拡張したり、皮膚が薄くなったりすることで、赤みが目立つようになることが多いです。特に頬や鼻、額、顎の部分に赤みが見られることが多く、乾燥や温度変化、ストレスなどの刺激によって赤みが悪化することもあります。赤ら顔は、酒さ(しゅさ)などの皮膚疾患の一症状として見られる場合もありますが、皮膚が薄くなっていることや血行が良すぎることが原因の場合もあります。

赤ら顔の主な原因

  1. 血行の異常:顔の血管が拡張していると、血液が多く集まり赤みが目立ちます。
  2. 皮膚の薄さ:皮膚が薄くなると、血管が透けて見えやすくなります。
  3. 乾燥:乾燥によって皮膚のバリア機能が低下し、外部からの刺激に敏感になり、赤みが生じることがあります。
  4. 温度変化:急激な温度の変化(例:冷えた場所から暖かい場所に移動した際など)で顔が赤くなることがあります。
  5. 酒さ:慢性的な皮膚の炎症が原因で赤ら顔が生じる皮膚疾患です。
  6. 生活習慣:ストレス、アルコール、辛い食べ物などの刺激物も血行を促進し、赤みを引き起こす原因になることがあります。

赤ら顔の対策とケア

  1. 紫外線対策:紫外線は肌へのダメージを蓄積させ、赤ら顔の原因となるため、日焼け止めクリームを使用して紫外線を防ぐことが重要です。
  2. 保湿:乾燥が原因で赤みが出る場合もあるため、保湿をしっかり行い、肌のバリア機能を保つようにします。
  3. 低刺激のスキンケア:肌に優しい低刺激のスキンケア製品を選び、摩擦を避けるようにしましょう。
  4. 食生活の見直し:アルコールやカフェイン、辛い食べ物などの刺激物を控えるとよいです。
  5. 温度変化を避ける:冷たい場所から急に暖かい場所に移動する際は、マフラーや帽子などで顔を温めておくと赤みが軽減されます。
  6. 皮膚科での相談:赤みがひどい場合や、原因がわからない場合は、皮膚科で診断を受け、適切な治療を受けることも重要です。レーザー治療などで血管拡張の改善が見込める場合もあります。

赤ら顔は見た目にも影響を及ぼすため、日常生活でのケアや生活習慣の見直しを行い、適切に対処することで症状を改善することが期待できます。

肝斑

肝斑(かんぱん)は、顔の特定の部分に対称的に現れる褐色のシミの一種で、特に頬骨のあたりに左右対称に現れるのが特徴です。額や鼻の周り、口の周囲にも現れることがあり、主に中年の女性に多く見られます。肝斑は、紫外線やホルモンバランスの影響で悪化しやすく、妊娠やピルの服用、ストレスが誘因となることもあります。

肝斑の主な特徴

  • 左右対称にできる:両頬に同じように現れることが多く、他のシミとは異なり、左右対称に広がるのが特徴です。
  • 輪郭がぼやけている:はっきりした輪郭がなく、周囲にぼんやりと広がるように見えることが多いです。
  • 色が薄く変わる:紫外線の影響や体調によって濃くなったり薄くなったりすることがあり、体調の変化やホルモンバランスの影響を受けやすいです。

肝斑の原因

肝斑の発生には、いくつかの要因が関与しています:

  1. ホルモンバランス:女性ホルモンの影響が強く、妊娠中や更年期、ピルの服用中に発生しやすいです。
  2. 紫外線:紫外線は肝斑を悪化させる原因となります。紫外線を浴びることで、メラニンが生成され、シミが濃くなることがあります。
  3. 摩擦:肌を過度にこすったり、刺激を与えたりすることが、肝斑を引き起こす原因となることがあります。
  4. 遺伝的要因:家族に肝斑がある場合、遺伝的に発生しやすい傾向もあります。

肝斑の治療法

肝斑の治療にはいくつかの方法がありますが、肝斑は治療が難しいこともあり、適切な治療法を選ぶことが大切です。

  1. トラネキサム酸の内服:肝斑に効果があるとされる薬で、メラニンの生成を抑えます。
  2. ハイドロキノン:メラニンの生成を抑える美白成分を含む外用薬で、肝斑の改善に用いられることがあります。
  3. ビタミンC:ビタミンC誘導体を配合したスキンケアが、肝斑の予防や悪化防止に役立つとされています。
  4. レーザー治療:肝斑専用のレーザー治療(レーザートーニング、YAGトーニング)は、慎重に行えば改善が期待できますが、肝斑がかえって悪化する可能性もあるため、医師の指導のもとで行うことが大切です。

肝斑の予防と日常のケア

  • 紫外線対策:日焼け止めクリームの使用、帽子や日傘での紫外線対策が大切です。
  • 摩擦を避ける:洗顔時やスキンケア時に肌を強くこすらないようにします。
  • ホルモンバランスの調整:生活習慣を見直し、睡眠や食生活を整えることでホルモンバランスを整えることが効果的です。

肝斑は長期間のケアが必要になることが多いため、日々のスキンケアと予防を心がけることが大切です。また、医師と相談しながら適切な治療を行うことで、肝斑の改善が期待できます。

中毒疹

中毒疹(ちゅうどくしん)は、薬や食品、化学物質、感染症などが体内に入った際、免疫システムが過剰に反応することで引き起こされる皮膚の発疹や炎症です。この反応は、原因物質に対するアレルギーや過敏反応の一種で、症状の出方は個人差があります。皮膚に発赤やかゆみ、腫れ、水疱などが現れ、時には全身に広がることもあります。

中毒疹の主な原因

  1. 薬剤:抗生物質や鎮痛薬、解熱剤などの薬が中毒疹を引き起こすことが多いです。ペニシリン系、サルファ剤などは特にアレルギー反応を引き起こしやすい薬です。
  2. 食品:ナッツ、甲殻類、小麦、卵など、特定の食品や食品添加物に対するアレルギー反応が原因となることがあります。
  3. 化学物質:化粧品や洗剤、金属などの接触により、皮膚が反応して発疹が出る場合があります。
  4. 感染症:一部のウイルスや細菌感染が引き金となり、発疹が現れることがあります。

中毒疹の症状

症状は原因や体質により異なりますが、一般的な症状には以下のものがあります:

  • 発赤や発疹:かゆみを伴う赤い斑点や腫れが生じます。
  • 水疱や丘疹:小さな水疱や隆起した発疹ができることがあります。
  • 腫れ:顔、まぶた、唇などに腫れが出ることもあります。
  • 全身症状:発熱、倦怠感、頭痛などの全身症状が伴う場合もあります。

中毒疹の治療

治療は原因物質の除去が最優先です。以下のような対症療法も行われます:

  • 抗ヒスタミン薬:かゆみを和らげるために使用されます。
  • ステロイド外用薬:炎症を抑え、発疹やかゆみを軽減します。
  • 経口ステロイド:重症の場合、医師の指示により服用します。

中毒疹の予防と日常の対策

  • 原因物質の確認と回避:再発を防ぐため、原因となる物質を特定し、接触や摂取を避けます。
  • アレルギー検査:パッチテストや血液検査でアレルギー原因を特定することが有効です。
  • スキンケア:皮膚のバリア機能を保つために保湿を心がけます。

中毒疹は原因物質との再接触で再発しやすいため、生活の中で原因を避け、医師と相談しながら適切な治療を受けることが大切です。

単純性粃糠疹(はたけ)

単純性粃糠疹(たんじゅんせいひこうしん)は、特に子供や若年層に多く見られる皮膚疾患で、主に顔、特に頬に発生する小さな白っぽい斑点状の発疹が特徴です。この発疹は乾燥したり、皮が剥けたように見えることがあり、特に冬季や乾燥した季節に悪化しやすいです。日本語では「しろなまず」とも呼ばれることがあり、軽度の炎症が原因と考えられています。

単純性粃糠疹の特徴

  • 白っぽい発疹:皮膚の表面が少し乾燥したような白っぽい発疹が現れます。
  • 軽いかゆみ:ほとんどの場合、かゆみは軽度か、もしくは感じないことが多いです。
  • 乾燥感:皮膚が乾燥していることが多く、発疹部分の皮が薄く剥けたように見えることもあります。
  • 季節性:特に乾燥しやすい冬季に悪化しやすく、暖かい季節には改善することも多いです。

原因

単純性粃糠疹の正確な原因は不明ですが、いくつかの要因が影響していると考えられています:

  1. 乾燥:皮膚の乾燥が症状の主な原因とされ、乾燥した環境や季節の変化で悪化します。
  2. 軽い炎症:日焼けや軽度の刺激により皮膚が一時的に炎症を起こし、その後乾燥することが原因とされています。
  3. アトピー体質:アトピー性皮膚炎の家族歴がある場合、発症しやすい傾向があると考えられています。

単純性粃糠疹の治療

単純性粃糠疹は通常、軽度で自然に改善することが多いため、症状に応じた対処が主です。以下の治療法やケアが推奨されます:

  • 保湿剤の使用:乾燥を防ぐため、保湿クリームやローションを使用することが効果的です。
  • 低刺激のスキンケア:洗顔料やスキンケア製品は、低刺激で保湿効果の高いものを使用し、皮膚への刺激を避けます。
  • 日焼け対策:日光に当たると悪化することがあるため、日焼け止めを使うなどの対策を取ります。
  • 軽度のステロイド外用薬:症状がひどい場合や炎症がある場合、医師の指導のもとでステロイド外用薬を使用することがあります。

日常生活での予防

  • 十分な保湿:乾燥を防ぐために、季節を問わず保湿ケアを徹底します。
  • 適切なスキンケア:強い洗顔料や、こすりすぎるような洗顔方法は避け、やさしくケアを行います。
  • バランスのとれた食事:栄養バランスの良い食事を心がけ、肌の健康を保つようにします。

単純性粃糠疹は一過性のものが多く、日常のケアや保湿を意識することで改善が期待できます。

癜風

癜風(でんぷう)は、皮膚の表面に白や茶色の斑点ができる皮膚疾患で、一般に「なまず」や「白なまず」とも呼ばれます。カビの一種である真菌(マラセチア菌)が皮膚の角質層に感染することで発生し、皮膚の色素が部分的に変色するのが特徴です。癜風は特に汗をかきやすい部位、例えば胸や背中、肩、腕などに発生しやすく、湿気の多い環境や暑い季節に悪化する傾向があります。

癜風の特徴

  • 色の違う斑点:白色、薄い茶色、ピンク色などの斑点が皮膚に現れます。斑点は不規則な形をしており、広がることもあります。
  • かゆみ:かゆみを伴うことがあるものの、無症状のことも多いです。
  • 粉がふく:斑点部分を軽く引っかくと、白い粉が出ることがあり、これが癜風の特徴の一つです。
  • 湿気で悪化:高温多湿の環境や、汗をかきやすい部位で症状が現れやすくなります。

癜風の原因

癜風は、マラセチア菌と呼ばれる真菌が原因です。マラセチア菌は、皮膚の常在菌の一つで通常は害を与えませんが、汗や皮脂が増えたり、免疫が低下したりすることで過剰に繁殖し、癜風の症状が現れます。

  • 高温多湿:暑くて湿気の多い環境は、マラセチア菌の繁殖を促進します。
  • 皮脂の分泌:皮脂の分泌が多いと、マラセチア菌が増えやすくなります。
  • 免疫低下:体調不良やストレスなどで免疫が低下すると、真菌が繁殖しやすくなります。

癜風の治療

癜風の治療は、抗真菌薬を使用して原因となる真菌を減らすことが中心です。

  • 抗真菌外用薬:抗真菌成分を含む軟膏やクリーム、ローションが処方され、患部に直接塗布します。
  • シャンプーや石けん:抗真菌成分を含んだボディソープやシャンプーで患部を洗うことが有効です。特に体全体に広がっている場合に適しています。
  • 経口抗真菌薬:症状が重い場合や広範囲に及ぶ場合、医師が経口抗真菌薬を処方することもあります。

日常生活での予防とケア

  • 皮膚を清潔に保つ:汗をかいたらすぐに拭き取り、皮膚を乾燥させるよう心がけます。
  • 通気性の良い服装:汗を吸収しやすい綿の素材を選ぶことで、皮膚が蒸れるのを防ぎます。
  • バランスの良い食生活:免疫力を保つために、栄養バランスの取れた食事を心がけます。

癜風は治療により症状が軽快することが多いですが、再発しやすいため、適切な予防やケアを続けることが大切です。

マラセチア毛包炎

マラセチア毛包炎(まらせちあもうほうえん)は、マラセチア菌という真菌(カビの一種)が毛穴(毛包)に感染して起こる皮膚疾患です。この菌は皮脂を好み、皮脂の分泌が多い部位で増殖しやすいため、顔や胸、背中、肩などに発症することが多いです。特に思春期以降の皮脂分泌が活発な時期に見られやすく、ニキビと似た見た目になるため、誤認されることもあります。

マラセチア毛包炎の特徴

  • 小さな赤い丘疹(発疹):ニキビのように赤く盛り上がった発疹が多数できることが特徴です。
  • かゆみ:かゆみを伴うことが多く、通常のニキビと異なるポイントです。
  • 分布:胸、背中、肩、首などの皮脂が多い部分に好発します。顔にできることもあります。
  • 悪化要因:汗をかく季節や高温多湿の環境で悪化しやすいです。

マラセチア毛包炎の原因

マラセチア菌は皮膚の常在菌で通常は無害ですが、汗や皮脂の増加、免疫力の低下などの要因によって異常増殖し、炎症を引き起こします。

  • 皮脂の分泌:皮脂を栄養源とするため、皮脂の分泌が多い部分で増殖しやすいです。
  • 高温多湿:高温多湿の環境はマラセチア菌の増殖を助長します。
  • 免疫力の低下:体調不良やストレス、免疫系の低下があると感染しやすくなります。
  • 抗生物質の使用:長期間の抗生物質の使用は、皮膚のバランスを崩し、真菌が増殖しやすい環境を作ることがあります。

マラセチア毛包炎の治療法

マラセチア毛包炎の治療は、真菌を抑えることが主になります。抗生物質は効きにくいため、真菌に対して効果のある治療が必要です。

  • 抗真菌外用薬:抗真菌成分を含むクリームやローションを患部に塗ることで、マラセチア菌の増殖を抑えます。
  • 抗真菌シャンプー:抗真菌成分を含むシャンプーで体を洗うことで、広範囲にわたる感染に効果的です。
  • 経口抗真菌薬:症状が重い場合や広範囲にわたる場合には、内服薬で真菌の増殖を抑えることもあります。
  • スキンケアと清潔保持:皮脂を過剰に残さないようにしつつ、肌を清潔に保つことが重要です。

日常生活での予防とケア

  • 汗をかいたら拭き取る:運動や入浴後は、清潔なタオルで汗をすぐに拭き取りましょう。
  • 通気性の良い衣服:汗を吸収しやすく、通気性の良い素材の衣服を着用することで蒸れを防ぎます。
  • 低刺激のスキンケア:肌に優しい低刺激の製品を使用し、皮脂のバランスを保つように心がけます。
  • ストレス管理:ストレスをためないことも、免疫力を保つために役立ちます。

マラセチア毛包炎は再発しやすいため、治療後も予防と日常のケアを続けることが大切です。

丹毒

丹毒(たんどく)は、皮膚や皮下組織が細菌感染によって急性に炎症を起こす皮膚疾患で、特に顔や足に多く発症します。主に溶連菌(A群溶血性レンサ球菌)によって引き起こされ、皮膚に赤みや腫れ、熱感、痛みが現れるのが特徴です。皮膚表面だけでなく皮下の組織にも炎症が広がることがあり、早急な治療が必要です。

丹毒の主な症状

  • 赤みと腫れ:感染した部位に強い赤みと腫れが生じます。境界がはっきりしていることが多いです。
  • 熱感:患部が熱を持ち、触れると温かく感じます。
  • 痛み:感染した部位に痛みや圧痛を感じることが多いです。
  • 発熱:体温が高くなる場合があり、悪寒や倦怠感など全身症状が現れることもあります。
  • リンパ節の腫れ:感染が広がると、近くのリンパ節が腫れることがあります。

丹毒の原因

丹毒は、傷や擦り傷、皮膚のバリア機能が低下している部分から細菌が侵入することで感染が広がります。主に次のような要因が関与しています:

  • 細菌感染:主な原因菌は溶連菌(A群溶血性レンサ球菌)であり、時には黄色ブドウ球菌も原因となります。
  • 皮膚の傷や炎症:湿疹や水虫、擦り傷など、皮膚に傷や炎症があると細菌が侵入しやすくなります。
  • 免疫力の低下:糖尿病や高齢者、免疫抑制剤を使用している人は感染しやすくなります。

丹毒の治療

丹毒の治療には、抗生物質が使用されます。感染が進行すると合併症が起きることがあるため、早期治療が重要です。

  • 抗生物質の内服:ペニシリン系やセフェム系の抗生物質が使用されます。重症の場合は、点滴で投与されることもあります。
  • 安静:患部を安静に保ち、足に発症した場合は足を挙上して安静にすると症状が和らぐことがあります。
  • 痛みの緩和:痛みが強い場合には、鎮痛剤の処方が行われることもあります。

予防と対策

  • 皮膚を清潔に保つ:日々のスキンケアで皮膚を清潔に保ち、傷がある場合は早めに消毒・保護します。
  • 免疫力の向上:適度な睡眠やバランスのとれた食事を心がけ、免疫力を維持します。
  • 他の感染症の治療:水虫や湿疹など、他の皮膚感染症がある場合は早めに治療し、細菌が侵入するリスクを減らします。

丹毒は早めの治療で改善が期待できるものの、放置すると感染が広がり、重篤な合併症を引き起こす可能性があります。症状が出た場合は早急に医療機関を受診することが重要です。

蜂窩織炎

蜂窩織炎(ほうかしきえん)は、皮膚の下の皮下組織に細菌が感染して起こる炎症で、特に真皮や皮下組織が影響を受けます。主に溶連菌(A群溶血性レンサ球菌)や黄色ブドウ球菌が原因となり、皮膚の傷口や湿疹、水虫などから細菌が侵入することで発症します。蜂窩織炎は急速に広がることがあり、適切な治療を行わないと重篤な合併症を引き起こす可能性があるため、早急な治療が必要です。

蜂窩織炎の主な症状

  • 赤み(発赤)と腫れ:感染した部分が赤く腫れ、周囲の皮膚よりも熱を持つことが多いです。
  • 痛み:患部に強い痛みや圧痛があり、触ると痛みが増します。
  • 発熱:体温が上がり、発熱や悪寒、倦怠感などの全身症状が見られることがあります。
  • リンパ節の腫れ:感染が進むと、近くのリンパ節が腫れることがあります。

蜂窩織炎の原因

蜂窩織炎の主な原因は細菌感染です。皮膚の傷や虫刺され、水虫、湿疹などから細菌が侵入し、皮膚の深部まで感染が広がります。以下が主な原因です:

  • 細菌:溶連菌や黄色ブドウ球菌などが主な原因菌です。
  • 皮膚のバリア機能の低下:小さな傷や湿疹、水虫などがあると、細菌が侵入しやすくなります。
  • 免疫力の低下:糖尿病や高齢者、免疫抑制剤の使用などにより免疫力が低下していると感染リスクが高まります。

蜂窩織炎の治療

蜂窩織炎の治療には、抗生物質が用いられます。感染が重度の場合、入院や点滴が必要になることもあります。

  • 抗生物質の内服または点滴:ペニシリン系、セフェム系、マクロライド系の抗生物質が使用され、感染の進行を防ぎます。
  • 患部の安静:患部を安静に保ち、特に足に発症した場合は挙上して腫れを和らげることが推奨されます。
  • 痛みの緩和:痛みがある場合は、鎮痛剤を併用することがあります。

予防と日常生活の対策

  • 皮膚を清潔に保つ:日常的に皮膚を清潔に保ち、傷がある場合は消毒し、適切に保護することが重要です。
  • 早めの治療:水虫や湿疹がある場合は放置せず、早めに治療しておくことが感染予防に役立ちます。
  • 免疫力を保つ:栄養バランスの良い食事や十分な睡眠を心がけ、免疫力を維持します。

蜂窩織炎は、急速に悪化することがあり、放置すると感染が血流に乗って全身に広がる敗血症を引き起こす可能性があります。そのため、症状が出た場合は早めに医師の診断を受け、適切な治療を開始することが重要です。

毛包炎・せつ・よう(おでき)

毛包炎(もうほうえん)、せつ(癤)、よう(癰)は、皮膚や毛包(毛根を包む組織)が細菌感染によって炎症を起こす疾患で、重症度や感染の広がり方によって異なる名称が使われます。これらの感染症はすべて毛穴を中心に発生し、主に黄色ブドウ球菌が原因となります。

1. 毛包炎(もうほうえん)

毛包炎は、毛穴やその周囲が軽く感染・炎症を起こした状態です。一般的に「毛嚢炎(もうのうえん)」とも呼ばれ、ニキビに似た小さな膿を持つ発疹ができ、かゆみや軽い痛みが伴いますが、軽度で治ることが多いです。

主な症状

  • 小さな赤い丘疹や膿疱が毛穴の周囲に発生
  • 軽い痛みやかゆみ

治療法

  • 抗生物質の軟膏の使用
  • 悪化した場合、内服薬での治療

2. せつ(癤)

せつは、毛包炎が皮膚の奥深くまで進行し、膿がたまって膿疱が大きくなった状態です。特に痛みが強く、触ると硬いしこりが感じられます。毛穴の周囲が赤く腫れ、膿が溜まって盛り上がることが多く、放置すると膿が破裂して内容物が排出されます。

主な症状

  • 大きく硬い膿疱、強い痛み
  • 発赤と腫れ

治療法

  • 抗生物質の内服または外用
  • 大きな膿疱の場合、切開して排膿することもある

3. よう(癰)

ようは、複数の毛穴が同時に感染し、複数の「せつ」が一体化して大きな膿瘍(膿のかたまり)を形成した状態です。皮膚と皮下組織の広い範囲が侵されるため、非常に強い痛みや発熱などの全身症状を伴うこともあります。特に糖尿病患者や免疫力が低下している人に発生しやすく、適切な治療を行わないと、深部にまで感染が広がる可能性があります。

主な症状

  • 大きな腫れと硬い膿疱、非常に強い痛み
  • 発熱やリンパ節の腫れなどの全身症状を伴うこともある

治療法

  • 抗生物質の内服または点滴
  • 切開排膿が必要な場合もある
  • 重症例では入院が必要になることもある

予防と対策

  • 清潔を保つ:肌を清潔に保ち、汗をかいた後はシャワーを浴びるなどして菌の繁殖を防ぎます。
  • 傷の消毒:小さな傷も放置せず、消毒して清潔に保つことが大切です。
  • 免疫力の向上:バランスの良い食事や適度な睡眠を心がけ、免疫力を保つことで感染予防に役立ちます。

毛包炎、せつ、ようはいずれも細菌感染によるものですが、重症化しやすい場合は放置せず、早めに医療機関を受診することが重要です。

行っている検査

血液検査
免疫学的検査
顕微鏡検査
生検(バイオプシー)・組織学的検査
超音波検査
皮内反応(パッチテスト・プリックテスト含む)
薬物光線貼付試験
ダーモスコピー検査

行っている治療

処方薬・投与 (ほぼ100%院内処方)

外用剤 (保険)

  • スミスリンローション5%
  • アダパレンゲル0.1%
  • デュアック配合ゲル
  • ベピオゲル・ローション・ウォッシュゲル
  • エピデュオゲル
  • エクロックゲル5%
  • ラピフォートワイプ2.5%
  • アポハイドローション20%
その他 多種

内服薬 (保険)

JAK阻害剤など

  • オテズラ(乾癬)
  • オルミエント(アトピー性皮膚炎・円形脱毛症)
  • リンヴォック(アトピー性皮膚炎)
  • リットフーロカプセル(円形脱毛症)
  • サイバインコ(アトピー性皮膚炎)
その他 多種

注射 (保険)

生物学的製剤
  • アトピー性皮膚炎(ミチーガ)
  • アトピー性皮膚炎(デュピクセント)
  • アトピー性皮膚炎(イブグリース)
  • アトピー性皮膚炎(アドトラーザ)
  • 乾癬(ビンゼレックス)
  • 乾癬(イルミア)
  • 乾癬・掌蹠膿疱症(スキリージ)
  • 乾癬(トレムフィア)
  • 乾癬(トルツ)
  • 乾癬(ルミセフ)
  • 乾癬(コセンティクス)
  • 乾癬(ヒュミラ)
  • 慢性じんま疹(ゾレア)
その他 多種

手術

観血的手術

  • 良性腫瘍摘出術
  • 悪性腫瘍摘出術
  • 陥入爪手術
  • 爪甲除去術
  • 創傷処理(外傷の縫合・異物除去)
  • 下肢静脈瘤手術(高位結紮術・硬化療法) こちら

など

レーザー照射

など

処置

紫外線療法(皮膚科光線療法)

こちら

  • XTRAC(エックストラック)≪エキシマレーザー≫
  • 全身型ダブリン3
  • デルマレイ400
  • デルマレイ200
  • Vトラック
  • セラビームミニ

その他

  • 創傷処置・熱傷処置
  • チッ素療法
  • ピンセット療法
  • VHO(陥入爪治療)(保険適応外)こちら
  • DPCP

など

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